教員のメンタルヘルス対策についてお金の観点から!

最終更新日時: 2024年10月2日

こんにちは。

ファイナンシャルプランナーの山下です。

教育現場では依然として超過労働をはじめとした労働環境の悪さが先行し、改善するにはまだまだ時間がかかるのが現状です。

こういった状況になると、当然心身に支障をきたし休職や退職を余儀なくされるケースが出てきますが、このような状況は長く働くことを想定すると自らの対策も考えていく必要性が出てきます。

労働環境をすぐすぐ改善することは難しいですが、自身で出来る限りのことはしていきたいところ。

教員のメンタルヘルスケアは非常に問題となっていますが、今回はこのメンタルヘルスについてお金の観点から見ていきます。

メンタルヘルスに影響する主な要因

そもそも、教職員のメンタルヘルスに影響する要因を考えてみると、

・長時間の労働

・生徒や保護者との人間関係

・部活動への関与

・教務以外の雑務処理の多さ

等、

一つの要因ではなく、複数の要因が考えられます。

長い時間これらがマイナスの状況で積み重なっていくと、心身に支障をきたし休職や退職といったケースに流れてしまう可能性もあります。

実際に近年休職等が増えている要因としては、このような各種事項が複合的に重なっていることが考えられます。

未然に防ぐためにも、このメンタルヘルスケアという考え方を日頃から意識しておくことは重要ですね。

メンタルヘルス相談の活用について

公立・私立学校問わず、共済組合ではメンタルヘルスの相談窓口を設けています。

自己解決しにくいメンタルヘルスケアにおいては、このような外部のサポートを使って上手く対処する事が重要です。

これらの活用には基本的にお金も必要ないことから、福利厚生制度の一環として確認しておくと良いでしょう。

休職制度の活用については頭に入れておく

万が一休職というケースになったとしても、教員には比較的充実した休職制度が存在します。

しかも、その休職制度の活用においては自治体によりけりではあるものの、活用して休むことで期間内ではあれば手当が出るのはもちろん、その期間後でも状況が続く場合は傷病手当金が出るという流れになります。

通常は休職後は早い段階で傷病手当金をもらう流れとなりますが、教員は病気休暇や休職制度を経た上でもらう流れになるため、一般的な会社員より比較的手厚い制度が長い期間で使えると言えます。

なお、この休職制度についてはこちらの記事に詳しくはまとめていますのであわせてご覧下さい↓

教員が休んだ場合の病気休暇や休職、傷病手当金について

2020年5月6日

各種保険での対応について

メンタルヘルスの関係でトラブルが出ると、まず一番に考える事は

「生活費は大丈夫か?」

ということです。

ここについては、初期の段階は前述した休職等を活用して手当を受けることで生活していくことが可能ですが、何年も長期に及ぶとなると生活費の心配が出てきます。

そこで、保険等の活用を検討することとなりますが、使う種類をあげるとすれば

主に、

就業不能保険

医療保険(精神疾患対応)

があります。

どちらも必要かという問いが出てきますが、結論から言えばこれらは必ずしも必要性としては高くないと言えます。

理由としては、先程とりあげた

休職制度の活用

があり、

保険料も割高になりやすい

という点があげられます。

就業不能保険の考え方について

就業不能保険というのは働くことが出来ない状況に対するリスクをカバーする目的で加入しますが、保険料が比較的たかくなりやすいのはもちろん、後ろ盾があまりない自営業者が中心になって加入する保険でもあるため、特に公立学校に勤める教員の立場であれば、加入する優先度としては下がります。

しかし、この保険が絶対に必要ないかというと状況によっては備えておきたいケースも出てくるため、加入を検討する場合は下記の記事もあわせてご覧ください↓

教員に就業不能保険って必要なの??

2020年8月10日

押さえておくポイントは二つ!

これらに備えて加入しておく事は悪いことではないですが、毎月の保険料支出として当然に発生し、しかもそれを定年までずっと加入し続けるとというのはやはり家計としての負担も大きくなりすいため、

ポイントとしては、

・休職制度をしっかり使うこと

・日頃からいざというときのためにある程度貯蓄(出来れば資産運用としての投資を含め)をしておくこと

というシンプルな2点を押さえておくと良いでしょう。

これらを押さえておくだけでも、万が一の場合でもスムーズな対応が可能になります。

まとめ

今回は教員に関するメンタルヘルスについて、お金の観点からみていきました。

また、お金はもちろん、無料で使える各種サポートを上手く活用しながら対策していくことが重要です。

メンタルヘルス対策を十分にしながら、もし事後対応になった場合でも、今ある制度を上手く活用しながら日常生活をおくることで少しでも早い回復につなげることができます。

事前の対応においても、今回の記事で取りあげていることを中心にできることがあれば早めに備えておきましょう!

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