最終更新日時: 2024年6月9日
教職員共済はご存知ですか?
教員向けの団体保険の一種で、おそらく教員であれば何度か案内を見たことがあると思います。
厚生労働省の認可を受けた生活協同組合が提供しているもので、教職員又はその家族であれば誰でも加入する事ができるものです。
では、教職員共済は本当に加入するメリットはあるのでしょうか?
そもそも保険を検討する際の考え方はどうしているでしょうか?
保険を検討する正しい手順や考え方も含めて見ていきます。
目次
教職員共済について
教職員共済は、教職員向けの共済保険です。
もちろん一般企業向けにはありませんし、教員以外の人が利用することもできません。
具体的には、全国の国立大学法人、高校、公立・私立学校、幼稚園及びその所轄にある独立行政法人・文化庁等に勤める方です。
とても身近にあるので、実際に加入している人も多いかもしれません。
個々の商品を見ていくと一長一短はありますが、共済制度ということもあり総じてコスパが良いんですよね。
共済制度は、一般的に県民共済やこくみん共済などで広く知れ渡っているのでご存知の方も多いと思いますが、
特徴として掛金自体がとにかく安い!!
「とにかく月の保険料を抑えたい!!」
「何とか最低限の保障額だけでも確保したい!!」
そういう考えで保険を考えている人であればもってこいの商品。
民間と同じ保障内容であれば、掛金の安い方を選んだ方が経済的ですし、それを実現できるのが共済制度ということなんですね。
教職員共済は、この共済制度を利用したものになりますので月々の掛金を低く抑える事ができ、しかも商品の幅も広いので必要な保険商品も見つかる可能性が高いです。
ちなみに、共済制度については、以前も記事にしていますのでご参考にしてくださいね。
教職員共済商品について
以下より商品内容についてみていきます。
教職員共済向けの商品は以下の通り。種類も豊富です。
○総合共済
○火災共済
○トリプルガード(団体生命保険・共済保険)
○自動車共済
○レスキュースリー(交通災害共済)
○年金共済
○新・終身共済
○車両共済
と、単に生命保険だけではなく、車両共済のように損害保険も一緒に取り扱っています。
また、団体保険特有の総合共済があるという点もポイントですね。
総合共済というのは、医療保障と死亡・後遺障害保障が合わさっているもので、
保障額は大きくないものの、掛金を安くした上で、両方の保障に備えるというものです。
これについては、他にも県民共済やコープ共済といった共済保険でも提供しているので、
迷ったら総合共済に入るという方も多く、選択肢としてはかなり選びやすい商品と言えるでしょう。
教職員共済に加入するメリット・デメリットは?
メリットについて
メリットを端的に言いますと、
「掛金がとにかく安く、コスパもいい」
ということでしょう!
そのため、民間保険を考えているならばまず団体保険である教職員共済の方を優先して考えてください。
やはり、月々の掛金が安いため保障額が大きくないご家庭であれば、教職員共済だけで済むことで他の民間保険よりコスパが良い状態が生まれるということです。
たしかに共済制度で見た場合、基本的には一般的に名の知れている県民共済や国民共済などとそこまで内容は大きく変わらないです。
そのため、教職員共済を利用したところで大きなメリットがあるわけでもないです。
しかし、コスパが良いことには変わりがないため、民間の保険加入に迷っているならば教職員共済を優先して考えるのが良いでしょう。
どの商品が優れているか?という差異があるわけでもないので、自身のニーズに応じた商品にのみ加入する事が望ましいと言えます。
総合共済以外は退職後も継続可能!
総合共済を除いて、基本的に退職となっても契約を続ける事が出来ることもポイントです。
裏を返せば、総合共済は継続出来なくなるのでデメリットという捉え方も出来ますが、
それ以外の共済は条件を付されているものはあるものの、継続が可能な点は大きいですね。
デメリット(注意点)について
①退職と同時に解約
デメリットは、上記と反対に退職となれば、総合共済の場合は契約を続けることができず、保険の見直しをしなければならなくなることです。
総合共済だけ続ける事が出来ない理由の一つとして、保障内容の中に教職員賠償責任保険が入ってるからなんですね。
公務上のトラブルに備えるものですが、退職するとこの保障は不要になってしまうので、総合共済を利用している人は解約手続きをしなければなりません。
②払込金額の微増
また、共済保険は掛金が安いものの、年数が経つと徐々に掛金が微増するという点があります。
これは、商品によって異なるので一概には言えないですが、例えば10年経過した後の更新時に数百円上がるなど若干の微増になります。
総額でみると民間の保険より安いことに変わりはないですが、一定の金額が一生涯続くわけではないという事には注意しなければなりません。
そのため、契約の管理には十分気を配ってくださいね!
教職員共済や個別の商品より大事なこと?
教職員共済は、確かに保険商品の中でもコスパがいいので民間の保険商品より優先して考える価値があります。
しかし、みんなが考える保険の入り方として、
○共済の方が良いか?
○民間の保険がいいのか?
○どの商品が良いか?
などと考えがちですが、このような考え方よりとにかく一番大事な事は、
「必要保障額はいくらなのか?」
ということと、
「我が家の資産状況はどうなのか?」
という事なんです。
必要保障額というのは、保険に入る上で、自分の今いる立場を考慮した上でどの程度の保障額が必要なのか?という事ですね。
例えば、子どもがいる人といない人とでは必要な保障額も全く変わってきます。
前者であれば、万が一子どもを残して亡くなったときに生活資金が必要になるので必要保障額も大きくなります。
対して、後者であれば、独身なので万が一本人が亡くなっても生活が苦しくなる人は子ども以外だとあまりいないでしょう。
大人であれば、働いたりもしくは年金などでカバー出来ますが子どもはそのようにいきませんよね。
子どもがいる親は第一にまず子どものことを考えて備えていかなければなりません。
ライフプランの作成からもみることができる!
厳密に必要保障額を出すためには、生活環境や収入、ライフイベントなどを考慮してライフプランを作成する事で正確な必要保障額をはじき出す事が出来ます。
また、前述した二つ目の、
「我が家の資産状況はどうなのか?」
という点も把握することが可能になります。
この点を把握することで、
・保険という支出に対してどの程度払えるか?
また、
・万が一の際に今ある保有資産からどの程度カバーできるのか?
という点がより明確になります。
この点についてはライフプランの作成もそうですが、家計簿をつけていてもある程度把握ができるため日ごろから家計管理をしておくことが重要になります。
私たちFPは相談業務としてライフプラン作成をメインに行なっていますが、例えば必要保障額だけでも簡易的に出したいということであれば、保険会社のHPなどにも必要保障額を算出するシミュレーションがあります。
ネットで検索するとすぐ出てくるため、各保険会社のHP上のシミュレーションで一度算出してみるのもいいかもしれません。
必要保障額等をはじき出す事で無駄な保険加入を防ぐことができます。
正直、必要保障額さえ把握していれば、共済であろうと民間の保険であろうと、自分のニーズ・保障額に合えばどちらも正解になるということなんです。
どちらを選択するかというより、
「正しい手順で検討しているか?」
ということを今一度考えてみて下さいね!!
教職員共済(団体保険含む)を軸に民間保険を検討する事が大事!
教職員共済の良し悪しや、それ以上に大事なこともお伝えしてきましたが、
直前でお伝えした、
「正しい手順で検討しているか?」
という点で見た場合、教員という職業で保険の事を考えるのであれば、
「まず、教職員共済を始めとした身の回りにある団体保険や、私学共済に関わる保険を検討した後、民間の保険を考える」
という順番がとても大事です。
いきなり民間の保険を検討するのも良いですが、同じ保障内容で掛金に差がなければやはり教職員共済等の方が掛金も安くなりやすく、手続きもしやすい点でメリットは大きいと言えます。
アイリスプランも同じ
同じことは、教職員共済と同等で有名なアイリスプランにも言えます。
アイリスプランとは、一般財団法人教職員生涯福祉財団というという事業団体が、全国の国公立・私立の学校教職員のために年金や医療等を目的とした保険商品を提供している事業のことを言います。
これも、いわば団体保険に近いものです。
アイリスプランについては、別途こちらの記事にまとめていますのであわせてご覧くださいね↓
民間保険は保障が充実している分、余計な保険に入りがちで月々の家計を圧迫する可能性もありますが、
アイリスプランでは生命保険はありませんが、掛け金も抑えて加入することができるため、教職員共済同様、医療保険等を考える際は優先して検討すべき保険商品と言えます。
生命保険のような必要保障額の把握をする際はもちろん、医療等の加入目的が決まっている保険商品の検討などは、まず身近にある教職員共済等を優先して考えるようにして下さいね!
まとめ
今回は、教職員共済についてみていきました。
トータルで見ると、やはり教職員共済のメリットは大きいと言えます。
それは、
「教職員共済から検討することで、必要保障額以上の余計な民間保険の加入検討を防ぐ」
事が出来る点も大きいからなんです。
どうしても、保険は不安を打ち消すものとして、加入し過ぎてしまう傾向にあります。
教職員共済だけでも加入しておけば、ひとまず保険の事は最低限の対策が
「安い費用」
で、取れるわけなんですね。
民間の保険に余剰加入するのは、家計的にも非常にもったいないんです。
教員であれば仕事が忙しくてなかなか身の回りの事に目が行きにくい分、民間保険よりは教職員共済の方が手につきやすいはずです。
一度パンフレットなどをみて見直したり、新たな加入を優先して検討してみて下さいね!
こういうのは早めの対策が必要ですので後回しにしないように注意しましょう!
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滋賀県で10年間教職についてましたが、3月末で退職しました。退職教職員互助会の加入の通知がきて、加入するには寄付金が65865円いるそうです。配偶者が加入するなら109783円です。子はいません。私だけでも加入した方がメリットは大きいのでしょうか?
小田様
コメント頂きありがとうございました。
退職教職員互助会ですね。
取り扱いが都道府県によって異なるので一概には言えないんですが、加入判断の1つは「療養補助金」にあります。
つまり、退職後も現職同様の医療費に対する補助金が出るものなんですが、これにより医療費の自己負担額が減るので加入価値があがるということです。
滋賀県の退職教職員互助会HPを確認した所こちらの給付規定が削除されており、入院給付金(55歳以上)のみになっていました。
つまり、入院した時しか給付金を受け取れないので他の互助会と比較するとメリットは少ないかもしれません。
ご加入の判断は慎重にして頂き、上記加入材料の1つとして参考にして頂ければ幸いです。
火災保険に加入して数十年になりますが空き家の実家が久しぶりに帰るとこわれていました。修理費用は補償されますか
吉川様
はじめまして。FPの山下と申します。
コメント頂きましてありがとうございました。
空き家の火災保険ということですが、概要も含めて居住向けと異なるため一度保険会社に現在の契約がどのようになっているか確認されることをお勧め致します。
契約期間内でしたら補填可能性もありますが、空き家向けの火災保険契約でないと適用されないためその点は注意する必要があります。
今後どのような対応を取ればよいか問い合わせることで今後の手続きも教えて頂くことが可能です。
どうぞ宜しくお願い致します。