公立教員が退職後でも受け取ることができる短期給付について

最終更新日時: 2022年12月31日

こんにちは。

ファイナンシャルプランナーの山下です。

教員が事情により退職した場合、例えば公立学校の教員であれば公立学校共済組合としての組合員資格は喪失することとなります。

そのため、あらゆる給付を受けることが出来ないように考えられますが、退職後でも要件を満たせば給付を受けることができるものもあります。

今回は、退職後でも受け取ることが出来る給付について見ていきます。

退職後は組合員資格を喪失する

公立学校の教員が退職する場合、基本的には公立学校共済組合の組合員の資格を喪失することになります。

そのため、共済組合が提供する短期給付や福祉事業等あらゆる制度を活用することが出来なくなりますが、

例えば退職後に任意継続期間を利用した任意継続被保険者を選択していれば、以下にあげる給付内容の要件を満たしやすくなるといったケースもあります。

この任意継続被保険者に関する内容については、以前こちらの記事にもまとめていますのであわせてご覧下さい↓

退職者や転職者は注意!公立学校共済組合の任意継続制度について

2019年3月7日

退職後に受け取ることが出来る短期給付について

それでは、退職後でも給付を受け取ることが可能な4つの内容についてそれぞれみていきます。

傷病手当金について

1つ目は傷病手当金ですね。

傷病手当金とは、共済組合に加入している組合員が「公務以外」により病気やケガをして、

それによる療養を余儀なくされた際に休業によって給与が減額されたときに、これを補填する形で生活を保障するための手当金のことを言います。

基本的には現職中になりますが、退職後に受け取る場合の受給要件としては、

1年以上組合員期間があり、傷病手当金の給付期間中に退職し、引き続き労務に服することが出来ない場合

1年以上組合員期間があり、傷病手当金を受ける要件を満たしていたが、報酬との調整等で傷病手当金を受けないで退職し、引き続き労務に服することが出来ない場合

のいずれか2つの要件を満たすと受給可能となります。

出産費について

2つ目は出産費ですね。

出産費については一般的には出産育児一時金のことを指し、一児につき42万円(令和4年現在)の給付を受けることが出来ます。

これについては、

1年以上組合員期間があり、退職後6ヶ月以内に出産したとき

任意継続組合員の資格を取得後、任意継続組合員期間中に出産したとき

任意継続組合員の資格を喪失後、6ヶ月以内に出産したとき

の3つの要件いずれかを満たすことで受給が可能となります。

出産手当金について

3つ目は出産手当金についてですね。

出産手当金とは、出産のために学校等を休み、これにより報酬が減額されたときにそれを補填し生活を保障するために支給される給付のことを言います。

なお、2つ目の出産費(出産育児一時金)とこの3つ目の出産手当金とのちがいについてはこちらの記事にまとめていますのであわせてご覧下さいね↓

教員が育児休業をした場合の出産手当金や育児休業給付金制度について

2020年1月13日

なお、これを退職後に受け取るためには、

1年以上組合員期間があり、出産手当金の給付期間中に退職したとき

1年以上組合員期間があり、出産手当金を受ける要件を満たしてたが、報酬との調整等で出産手当金を受けないで退職したとき

の2つのいずれかに該当した場合に受給が可能となります。

埋葬料について

最後の4つ目は埋葬料です。

埋葬料とは、公務によらないで死亡したとき埋葬に要する費用の一部を補填するために、

その死亡時の被扶養者のうち埋葬を行うべき方に埋葬料が給付されます(死亡時に被扶養者がいない場合には、本人との関係を問わず実際に埋葬を行った方に給付される)

もののことを言います。

この埋葬料について退職後に受給する要件としては、

退職後3ヶ月以内に死亡したとき

任意継続組合員の資格を取得後、任意継続組合員期間中に死亡したとき

任意継続組合員の資格を喪失後、3ヶ月以内に死亡したとき

の、以上3つのいずれかに該当した場合に受け取る事が出来る手当金となります。

給付要件はパンフレットやHP等でも確認可能

以上見てきましたが、退職後に受給するにはさまざまな要件があるためその要件を満たす必要があります。

退職後に給付が受け取れるかもしれない?と該当しそうな給付内容があった場合は、まず学校の事務員さん等に確認して該当するケースかどうか確認してみるのも良いですね!

また、共済組合から給付に関するパンフレットやHP等からも確認が出来ますので、退職等のケースになる場合は事前に確認しておくと良いでしょう。

まとめ

今回は教員が退職後でも受け取ることができる給付についてという内容で見てきました。

実際には資格喪失後でも、要件を満たせば今まで見てきたような給付内容を受け取ることができるということですね。

もう退職したから共済組合は関係ないと考えるかもしれませんが、特に傷病手当金等はやむを得ない状況で受け取るケースも多いためしっかり確認しておきたい給付です。

給付内容については漏れがないように事前確認しておきましょう!

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4 件のコメント

  • 勤続18年、休職(8割支給中)から退職予定です。1度傷病手当金を申請しましたが、給与が上回っているので受給は見送りでした。退職後再度申請したいのですが、上記の条件「1年以上組合員期間があり、傷病手当金を受ける要件を満たしていたが、報酬との調整等で傷病手当金を受けないで退職し、引き続き労務に服することが出来ない場合」に該当しますか。その際、8割支給で受給はできませんが、要件を満たしている証明のために退職月分から申請しておく必要がありますか。回答よろしくお願いします。

    • 涼子様
      FPの山下と申します。
      コメント頂きましてありがとうございました。
      おっしゃる通り、そのケースでしたら該当する可能性がございます。
      なお、調整に伴う退職後給付は例外的な規定となるため、申請するタイミングについては直接共済組合もしくは所属されている学校の事務員さんにお聞きした方が確実かもしれません。
      宜しくお願い致します。

      • ご回答ありがとうございます。共済組合に直接尋ねてみます。わからないことがいろいろありますので、また宜しくお願いします。

        • 涼子様
          FPの山下です。
          ご返信ありがとうございました。
          ご質問につきましては弊所発行の無料メルマガ内でも設けております(期間限定)ので、よろしければご活用のご検討いただければ幸いです。
          今後とも宜しくお願い致します。

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