最終更新日時: 2024年6月9日
家やマンションをローンなどで購入する際に、司法書士などに所有したことを証する登記の依頼をかけ、同時に銀行も担保にとることを証する際に登記を依頼します。
その際、所有権や抵当権という欄に、購入した際の名前が載りますが、しっかり見たことはありますか?
いわゆる不動産の登記簿謄本というものですが、実はこの謄本はいつでも誰でも見ることが可能です。
どのようなものか、そしてどこで取得ができるのか見ていきたいと思います!
不動産の登記簿謄本とは?
不動産の登記簿謄本とは、不動産の事について、事細かく記している謄本のことを言います。
例えば、土地については
・所在はどこなのか?
・面積は〇〇平方メートルなのか?
・土地の種類が畑なのか宅地なのか等
・所有者は誰なのか?
・担保にとっている人がいるのか?それは誰なのか?
と言った事を、1通の謄本ですべて把握することができます。
取得場所は法務局で!
取得する際には、法務省管轄下にある法務局という役所で取得することが可能で、しかも誰でも取得することができます。
ちなみに、取得する際の手数料は1通600円です。
誰でも取得可能なのですが、普段の生活をしていれば利用することはあまりないかもしれません。
頻繁に利用する業種は、不動産会社や金融機関に勤める人、法律関係の職種、また、会社の証明になる登記簿謄本も取得できるので、社長さんなども利用をしにいきます。
ちなみに、会社の証明になる登記簿謄本とは、株式会社や合同会社形態にすることで登記をしなければなりませんので、その登記した内容を見ることが出来るものです。
具体的には、
○本店の所在地は?
○資本金はいくら?
○役員は誰なのか?
などといったような内容を見ることが出来ます。
会社を起こした人であれば手元に持っていますが、普段生活にしていると、不動産の登記簿謄本と同様に目にする機会はあまりないかもしれません。
これも、同じ法務局内で取得が可能です。
小さな町でも、出張所として出しているところもありますので、一度確認してみるのも良いですよ!
不動産登記簿謄本の利用方法とは?
上にあげた業種の方が多く利用するわけですが、普段生活していると、ほとんどお世話になることはありません。
多くの方がお世話になる場面としては、住宅ローンを組む際です。
しかも、住宅を購入する側が取得するのではなく、多くは銀行や不動産会社が、不動産の状況や権利関係を確認するために取得します。
例えば、土地の上に新しく家を建てるといった場合、まず、欲しい土地の所有者を確認して、その人から土地を購入しなければなりません。
土地の売り買いをする際の売主の確認ということですね。
不動産会社が仲介に入ってくれますが、このような所有者の確認や土地状況を確認する上でも、不動産の登記簿謄本は非常に重要になってきます。
最終的に家を建て、土地を購入して、権利関係が確定した時点で不動産の謄本が手元にくるという事になります。
法務局は今後利用機会が増える可能性も?
上にあげたように、ほとんど不動産の登記簿謄本については利用機会がないので、一般の方は、法務局自体に足を運ぶ事がありません。
しかし、最近になって、今後法務局を利用する機会が生まれそうな法律改正がなされました。
それが民法の相続改正です。
相続の内容に関する事項が大きく変わったわけですが、その背景にあるのが高齢化社会の進展です。
今後もますます高齢者の割合が増えて、持っている不動産や預貯金の相続もますます増えていきます。
そこで、通常であれば、民法で定められた法定相続人という決まりがあるので、亡くなられる前に何の手立てもしなければ、亡くなられた人の遺産は平等に法定相続人へ渡ります。
しかし、特定の人に渡したいという意向がある場合には、生前に遺言書を書き残しておくことができ、その場合は法定相続より優先されるわけです。
しかも、法定相続をする場合は、手続きが複雑になったり多様化してきます。
たとえば、
・相続人が何人いるのか?
・それぞれの相続人に、何%ずつ割り振って行けばいいのか?
・遺産分割協議は必要なのか?
といった内容が一気に押し寄せてきます。
しかし、遺言書があれば、相続人への振り分けや遺産分割協議なども必要がなくなってきます。
場合によっては、相続人間で話し合いをする必要があるので、その場合は遺産分割協議をする可能性もありますが、遺言書があれば、手続きを大きくカットできるメリットがあります。
そのため、この社会情勢を踏まえた今回の相続に関する民法改正において、メリットの大きな遺言書を保管する制度が出来ました。
遺言書は、相続人が知らない限り、場所がわからなかったり、もしくは発見されぬまま通常の法定相続をしてしまうリスクもあります。
そのような事情を考慮して、相続に関する手続きを少しでも軽く出来るように、遺言書を保管しておくことで、発見されないなどの事態を回避することができ、スムーズに手続きを行うことができます。
まとめ
今回は、不動産の登記簿謄本などについて見ていきました。
法務局自体にあまり足を運ぶことがないかもしれませんが、今後の遺言書制度を見据えて行けば、利用する機会が増えていくかもしれません。
不動産の登記簿謄本も誰でも取得が可能ですので、一度家の概況を確認する意味でも、法務局に一度足を運んで取得してみてください。