最終更新日時: 2024年10月2日
こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの山下です。
元気に働いている場合は、保険などを考えることはあまりないと思いますが、健康に不安を感じたりすると、働けなくなった際に収入が減少したり、無くなったりといったリスクに対して備えたいと考えるようになります。
今回は、その代表的な保険である就業不能保険について、教員としての立場では必要な保険と言えるかどうか考えていきます。
目次
就業不能保険とは?
就業不能保険とは、健康上の問題などで仕事を続けることができなくなり、休職するといった際、収入が途絶えてしまうリスクに対して備えるための保険のことを言います。
所得補償保険と同じ
良く類似した商品で所得補償保険というものがありますが、これも就業不能保険と同じように働けなくなった際の収入確保のために備える保険です。
こちらは主に損害保険会社が販売しており、生命保険会社が販売している就業不能保険とは販売元が異なります。
また、所得補償保険はより働けない期間が短い事を想定して作られている商品が多いため、
より長期での休職を想定するのであれば、就業不能保険の方が対応している形が多いです。
ただ、教員向けの団体保険については少し例外で、長期障害所得補償保険という形で就業不能保険の役割として出している団体もあるため、
それについては後半に紹介する関連した記事の中でご覧ください。
就業不能保険が最も必要な人とは?
では、就業不能保険が最も必要な人はどのような人なのでしょうか?
これは、会社員や公務員、自営業という2つの形態で大きく異なります。
会社員や公務員の場合
会社員や公務員の場合、休職するとなったら、まず傷病手当金というものがあります。
これが最長1年6ヶ月と考えると、この期間はおよそ収入の3分の2ではあるものの、休職して働けなくなった場合も、ある程度の収入は確保できるということになります。
また、障害基礎年金や障害厚生年金といった年金収入も考慮すると、働けなくなった場合のある程度の後ろ盾が存在すると言えます。
ちなみに、教員の休職に関わる傷病手当金等についてはこちらの記事にまとめていますので、あわせてご覧ください↓
自営業の場合
次に自営業です。自営業の人は労災や傷病手当金といった福利厚生になるようなものがないため、万が一働けなくなった場合、頼りになるのは障害基礎年金だけになってしまいます。
自営業者は国民年金になるため、厚生年金部分がないので基礎年金部分だけということですね。
以上を考慮すると、やはり就業不能保険が一番必要なのは会社員や公務員より、自営業者であるということが言えます。
教員には必要ないのか?
以上を考慮すると、教員にとって就業不能保険は必要ないのでしょうか?
これを判断するには、どのような病状により休職するのか?を想定した際に、適切な保険の必要性や入り方が見えてきます。
教員に多い精神疾患を理由とした休職を考慮
教員の働けなくなるリスクとして多いのが、精神疾患による休職です。
これについては、昨今メディアでも取り上げられている労働環境の実態が明るみになり、精神的に疲弊してしまう先生方の懸念が未だ解消されずにいます。
そのような実態を考慮すると、教員として働く場合は今の労働環境の改善がなされない限り、そのリスクは少なからず存在してしまいます。
保険適用対象外になる商品が多い・・・
この精神疾患による休職の場合、就業不能保険をはじめとした保険は適用対象外となることが多く、
実際に保険に加入していてもそれによる休職の場合は保険がおりないということになります。
適用対象外となる理由については、診察が難しく治ったか分かりづらいことや、一度改善しても再発して長期になるリスクが常に存在するといったこと等があげられます。
もし保険がおりないと、加入している側としては払い損になってしまうため、そのような事由については、今から加入しようとしている就業不能保険が保険適用対象になっているかどうか確かめる必要があるということですね。
明確な目的があれば加入価値はある
教員の場合は、病気休暇や傷病手当金等といった後ろ盾はいろいろとありますので、就業不能保険が必要かどうかと考えた場合、そこまで必要性は高くない保険商品と言えます。
しかし、
・上記にあげた精神疾患を理由としたリスクに対して備えておきたい
・健康上の不安があるので長期休業リスクには備えておきたい
・傷病手当金等にプラスしてできるだけ長期休業リスクには備えておきたい
・貯蓄が多くないので、就業不能リスクだけには備えておきたい
等、明確な目的があってか加入するのであれば、検討余地はあります。
なんとなく不安だから加入したり、適用対象外と知らずに加入するのは加入価値を大きく下げますので、
加入する場合は、より慎重性が求められる種類の保険商品であると言えるでしょう。
ちなみに、教員向けに精神疾患を考慮した保険(長期障害所得補償保険)もあるので、これをまとめた記事もあわせてご覧くださいね↓
まとめ
今回は、就業不能保険について見ていきました。
教員の立場で考えるとそこまで必要性の高い保険とは言えませんが、明確な目的を持っていれば、加入価値はあがります。
またこのようなタイプの保険は、教員の様々な福利厚生をしっかり念頭に入れた上で、慎重に検討をする必要のある保険です。
なんとなく加入しておきたいからという理由では、せっかくの福利厚生制度を十分に活かしきれていないということになりますので、
教員に関わる福利厚生については、勤務先で受け取る資料やこのブログ等でしっかり確認してくださいね!
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