教員が考える高額療養費制度と医療保険の関係について

最終更新日時: 2024年6月9日

高額療養費制度については、このブログやメルマガでもたまに取り上げますが、

利用する機会も少ないため、この制度の内容について詳しく知る機会も少ないように思います。

今回、この記事でまとめてみましたので、高額療養費制度については、今後の生活のためにもぜひ概要を知っておいて下さい。

また、後半では医療保険との絡みについてもお伝えします。

高額療養費制度とは?

通常、医療費は高齢者等を除くと自己負担は3割になります。

ただ、3割だとしても三大疾病の治療には100万円以上かかると言われています。

そこで、高額療養費制度が出てきます。

高額療養費制度とは、医療費が高額になりそうな場合に、健康保険証を持っている人であれば、1ヶ月の医療費がある一定額以上になると、誰でも医療費の自己負担を抑える事ができる制度のことです。

計算方法は年齢や所得で変わる

この自己負担額を計算するにあたっては、年齢や所得に応じて変わってきます。

大きな分け方としては、

①70歳以上

②69歳以下

となり、年収は主に5段階で、

①約1,160万円〜

②約770〜1,160万円

③約370〜約770万円

④〜約370万円

⑤住民税非課税世帯

となります。

例えば、年収370〜770万円の間で69歳以下という一般的なご家庭を基にすると、以下の計算になります。

毎月の上限額

80,100円+(医療費−267,000円)×1%

となります。

例えば、三大疾病にかかり、50万円の医療費が発生した場合、上記の計算に当てはめると、

→80,100円+(500,00円−267,000円)×1%=82,430円

になります。

上限額82,430円払えば良いということですね。

この場合、50万円の医療費に対して、先にその3割負担をしていたと仮定すると、15万円支払っていた事になりますが、

上記の計算により、上限額は82,430円なので、加入している健康保険の団体に申請すると、

150,000円−82,430円=67,570円

が還付されるという流れになります。

ちなみに、直近1年間に3回以上この制度を利用すると、4回目以降は自己負担額が減額されます。

今回は、年収と年齢を限定して例を挙げましたが、その他の年収や4回目以降の自己負担額等については計算に関わる数値が変わってきますので、

詳しく参照されたい方は、厚生労働省のHPをご覧下さい。

教員は付加給付でさらに自己負担減!?

上記を見ていくと、健康保険証を保持しているだけで自己負担額の上限額が決まっており、

一度に多くの医療費というのも限られてくることが分かります。

実は、さらに教員であれば、共済組合における付加給付もあるので、上記に挙げた自己負担額からさらに減額される形になります。

公立学校について

公立学校共済組合のHPを見ると、付加給付に関する情報は名前が違う形で出されているので、見つけ出しにくいかもしれませんが、

一部負担金払戻金・家族療養費附加金

という名前になっています。

これが、いわゆる付加給付になるわけですが、上記に挙げた計算式よりさらに簡易で負担額が示されています。

HP上は、

一部負担金払戻金・家族療養費附加金25,000円(上位所得者である標準報酬月額530,000円以上は50,000円)」

となっているため、これを先程挙げた5段階に振り分けてみると、

①約1,160万円〜

50,000円

②約770〜1,160万円

50,000円

③約370〜約770万円

25,000円

④〜約370万円

25,000円

⑤住民税非課税世帯

25,000円

となります。

だいぶ減額されていますね!

上記の例で挙げた医療費50万円の場合の自己負担額は82,430円でしたが、このケースに当てはめたら、25,000円で済むわけです。

いかに付加給付が手厚いか分かる事例と言えますね。

私立教員はそれ以上?

上記は公立学校共済組を例に取り上げましたが、私立学校も同じような仕組みです。

名前は、

一部負担金払戻金・家族療養費附加金

と同じで、私学共済のHPを参照すると、

その概要が記載されています。

公立学校共済組合では、付加給付に関して年収による自己負担額の境界を設けていましたが、私学共済の場合はその境界の明記が見当たりません。

つまり、上記に振り分けた5段階全てにおいて、

25,000円

という事です。

公立学校共済組合より手厚いと言えるかもしれません。

医療保険の必要性の話に繋がる

上記に挙げた公的制度を利用していくと、自然と任意保険はどうなんだ?という話が出てきます。

特に、医療保険については、今回あげた高額療養費制度がある限り、必要性がぐんと下がってきます。

しかも、教員であれば、他の職種に比べて付加給付という手厚い制度もあるので、さらに必要性が下がってくるということですね。

毎月健康保険料を支払えば、誰でも公的医療制度を使えるわけなので、その中にある高額療養費制度をしっかり理解しておくと、医療保険の加入に関して色々と熟考できるはずです。

ぜひ、医療保険に加入中もしくは加入を検討している方は、今回取り上げた高額療養費制度を把握した上で考えてみてくださいね!

医療保険の必要性については、下記の記事にもまとめていますので、合わせて読んで下さい。

教員は医療保険の必要性が低い?医療費のために出来ることとは?

2019年1月19日

まとめ

今回は、高額療養費制度についてまとめました。

この制度を把握しておけば、いざという時の利用に対してスムーズに進み、

さらに、医療保険についての可否についてもしっかりとした判断が出来ると思います。

「不安だから医療保険に入る」

という理由と、

「高額療養費制度を考慮したら医療保険の必要性高くないので、その代わり生命保険の保障を手厚くしよう」

という理由では、やはり今後、支出面でも大きな違いが出てきます。

不安だから入っているという方は、ぜひ今回の制度を知ることで、再考の材料としてみて下さいね!

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