最終更新日時: 2024年6月9日
認知症は、高齢者世代にとって大変無視することのできない症状の一つです。
日本でも、ますます高齢化社会が進むにつれて、認知症対策も早急に取らなければなるない時代になっています。
そういう時代が進むにつれて、私たちは出来る範囲で、最善の出来ることをしていかなければなりません。
そこで、最近になって保険会社からでてきた、認知症保険というものをご存知ですか??
今後の保険対策として、欠かすことのできないものになるかもしれません。
今回は、その内容についてみていきたいと思います!
目次
なぜ認知症保険の需要があるの?
認知症に対する保険は、もともと、各保険会社が出している介護保険の中で対応できるものであり、
介護保険に加入していれば問題ありませんでした。
しかし、最近の高齢化社会や、認知症の広がりに対する危機感、
認知症により多額の介護費用を要するといった事情もあり、それへの備えに対する需要が高まってたんですね。
そこで、介護保険の内容の中で、特に認知症のみをピックアップして、
それ専用の保険を作ることで、十分な内容の保険を充実させようとする目的で作られました。
厚生労働省によると、現在、日本における認知症患者は約460万人いると言われ、2025年には、さらに約700万人にまで増加すると予測されています。
今の高齢者人口で行くと、65歳以上の5人に1人が認知症になるということです。
このような状況になる事が予測されているとなると、
事前に健康なうちに入れる保険の中で、認知症に対するリスクに備える意識は当然高くなると言えますね。
認知症保険の内容について
認知症保険は、
「自身への治療型」
のものと、
「第三者への損失補償型」
の二つのタイプに分かれています。
前者は、認知症になり、介護が必要になったとき保険金を受け取る事ができるタイプ。
そのままなので分かりやすいと思いますが、
認知症になれば必ず周囲の介護が必要になり、介護に関わる費用がかかってきます。
その時に、必要な保険金が下りれば不安なく使う事ができますね。
後者は、自動車保険のような交通事故による相手への補償をイメージしてもらえれば分かりやすいと思いますが、
認知症になった時に相手への危害が加わった時の補償タイプのことです。
例えば、認知症により、
○本来運転してはいけない車を運転してしまい、結果的に事故を起こし相手に怪我をさせた場合
○老人ホームなどで相手に手を出して怪我をさせた場合
○火事を起こして近隣に損害を与えた
など、あげれば色々と出てきます。
本人を支える周囲は、このように本人だけでなく、他者への損害を最も恐れます。
そのため、近年では、認知症の疑いが少しでもあれば、免許証の返納がかなり多くなってきているという実情もあります。
これは、一時期、高齢者ドライバーの単独事故が連日のように報道された事が一つのきっかけになっていますが、
やはり、親族の危機意識は高まらざるを得ません。
認知症保険の種類について
認知症保険は出たばかりなので、商品も多くありません。
以下、タイプごとにみていきたいと思います。
治療タイプ
今現在出ているのは、治療する目的タイプのもので、
○太陽生命の「ひまわり認知症治療保険」
○朝日生命の「あんしん介護認知症保険」
○メットライフ生命保険の「終身認知症診断一時金特約」
があります。
メットライフ生命保険のものは、特約になりますが、
終身医療保険につける特約で、介護だけでなく医療保険も視野に入れる場合は、こちらの方がいいです。
損害補償タイプ
また、他人への損害補償保険としては
○リボン少額短期保険会社の「リボン認知症保険」
があります。
サイト→詳しくはこちらです。
損害補償保険では、この他、特約としてつけるものもありますが、
認知症に特化した損害補償保険は、リボン少額短期保険会社のみとなります。
この保険は、いわゆる
「ミニ保険」
と呼ばれるもので、補償額は大きくないけど、少額で入る事が可能な保険の部類になります。
他人に怪我をさせたり、日常的なトラブルが起こりやすい認知症患者において、
親族も相手への補償保険に加入しておけば、万が一のリスク対策につながります。
上のように、認知症保険を考える場合は、治療タイプだけでなく、補償タイプも視野に入れる必要があります。
認知症保険は入るべき?
認知症保険の内容から各保険会社の種類までみてきましたが、これらの入るべき基準はどのように考えていけばよいでしょうか?
介護保険の確認
まず、確認すべきこととして、今現在介護保険に加入しているかどうかです。
認知症に対しては、今まで介護保険でカバーできたものですが、
もし、介護保険に既に加入しているということであれば、内容が重複する可能性もあるので、改めて加入する必要はないです。
介護保険は、認知症に加えてその他色々な介護事由にも対応しています。
要介護状態になる原因は、認知症に限らず、
骨折で動けなくなったり、脳関係の病気で倒れたりした場合など、多岐に渡ります。
そのため、現状では認知症に特化した保険も需要として高まっており、
保障内容も介護保険より充実してはいますが、あらゆる介護リスクに備えるのであれば、介護保険の方が適切です。
保険の支払事由
実は、認知症という診断を受けたら、必ず給付金を受け取る事ができるというわけでもないんですね。
これは、会社それぞれの独自の判断基準というものが存在するため、その診断基準を満たす必要があるからなんです。
もし、通っている病院の医師から診断されても、
結局保険会社の診断基準を満たさなければ、今まで払ってきた保険金が意味のないことになってしまいます。
それでは、辛いですよね。
ただ、上記の各保険会社の商品の中で、
治療タイプであるメットライフ生命の
「終身認知症診断一時金特約」
であれば、診断が確定されれば、給付金が下りるような内容になっています。
残り二つは、保険会社の診断基準も満たさなければなりません。
このような点に注意しながら、比較していってほしいと思います。
まとめ
今回は、認知症保険について取り上げました。
まだまだ、保険としての歴史が浅いこともあり、商品自体も少ないです。
また、介護保険の存在や保険の支払事由を考えると、
認知症のみに特化した保険に入るのは、十分検討した上で入った方がよいと言えそうです。
現時点では、介護保険の方が高齢者のリスク対策としてのコストパフォーマンスが優れているので、
認知症の心配の方が大きい場合には、加入の検討をしてみて下さいね!