公立共済や私学共済の保険証がなく治療費を全額自己負担したときどうする?

最終更新日時: 2024年6月9日

健康保険証(以下、保険証)は、病院で治療を受ける際必ず提示するものです。

例えば、公立学校であれば公立学校共済組合の保険証であり、私立学校であれば私学共済の保険証等ですね。

これを提示することで、高齢者や子ども等一部を除き、基本的には自己負担が3割に抑えられるわけですが、

場合によっては、急な事情で病院で治療をすることになったり、もしくは、携帯し忘れた等のケースで病院で保険証なしで治療を受けるとなると、全額自己負担となります。

医療費の全額自己負担はかなり家計へのダメージが大きいので、全額自己負担した場合は、組合への手続きをして還付してもらう必要があります。

今回は、この手続きについて見ていきます。

現物給付方式が基本となる

病気や怪我をした場合、病院で診療する際には保険証を窓口に出すことになりますが、それによって自己負担割合が3割等になって診療費の費用を抑える事ができます。

この方式を

現物給付方式

と言い、保険証を窓口に提出して診療を受ける事によって給付を受ける(診療費の3割負担等となる)というイメージにより、この方式の名前になっています。

なお、保険証の仕組みに関する記事は別途こちらにまとめてありますので、あわせてご覧くださいね↓

共済組合の保険証の仕組みと扶養の関係について

2019年8月24日

保険証がない場合について

ただ、保険証がない場合、上記のような方式をとることができず、 まず、診療費を全額自己負担として支払う必要性が出てきます。

保険証が手元にないというケースはちょくちょくあるんですね。

例えば、

・保険証が切り替わる時期に病院に行く場合

・保険証の紛失

※保険証紛失時の対応についてはこちらの記事をどうぞ↓

健康保険証を紛失してしまった時の対処法について

2019年11月3日

・急病時

・家に保険証を忘れる

・海外旅行先での診療

など、さまざまです。

常時、財布の中に入れている方が多いと思いますが、保険証が必要になるタイミングというのは、上記のケースを含めた急な場合も想定されます。

そうなると、まずは、

全額自己負担後に、加入している組合への還付請求を行う

という手間が発生することになります。

請求先は各共済組合になりますので、負担したあとは、忘れないように請求手続きをする必要があります。

全額自己負担後の請求について

保険証なしで全額自己負担した場合、先ほどもお伝えしたように共済組合に請求しなければなりません。

例えば、公立学校の場合、

療養費・家族療養費・同附加金・移送費・一部負担金払戻金請求書

に必要な事項を記入後、公立学校共済組合に提出します。

また、私立学校であれば、

療養費・家族療養費等請求書

になります。

それぞれの請求書については、学校の事務員の方に相談するか、もしくは、各組合のHP上でダウンロード出来るので、どちらかで用意すると良いでしょう。

請求書とあわせて添付する書類について

上記の請求書だけでは、本当に診療費に対して全額支払ったのか分からないため、別途添付する書類を用意する必要があります。

その書類というのは、

・診療報酬領収済明細書

・医療機関が発行する領収書

・調剤報酬明細書

等になります。

病院でもらえる領収書等は必ず捨てずに保管しておけば良いと言うことですね。

用意する書類自体は少ないので、請求書と上記添付書類をあわせて提出すると良いでしょう。

海外での診療は注意が必要!

なお、海外旅行先等で病気やケガにより診療するというケースもあります。

その場合も、基本的には今回のような手続きになりますが、用意する書類が少し異なってきます。

例えば、上記にプラスして、

・領収書に関する日本語訳のもの

・海外に行った際の事実を証するもの(パスポートの写し等)

・各組合の海外診療に対する同意書

等が必要になります。

3つ目の同意書については、海外の医療機関に対して、受診内容に関する照会を行う際の同意書のことを言います。

受診内容についてはあくまでもプライバシーに関わることなので、その点について照会をかけても問題ないですよという同意をする書面が必要であるということですね。

これも、組合によって様式が異なることから、事務の方に相談して用意した方が良いです。

まとめ

今回は、診療費に対して前払いによる全額自己負担をした場合の、のちの還付請求について見ていきました。

保険証が手元にないケースというのは、上記にあげた通り、ままあります。

万が一、ない場合の流れをイメージしておくと対応もスムーズになるため、概要だけでも把握しておいて下さいね!

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