最終更新日時: 2024年6月9日
こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの山下です。
教職員の休職者数は毎年同じような状況で推移しており、なかなか減らないのが現状です。
理由としては、精神疾患によるものが大きいですが、その背景にはやはり労働環境が多く取り上げられています。
そのため、国が長時間労働の是正を図っていますが、まだまだ不透明感が強いことからこの状況がすぐ直るとは考えにくいですね。
教職員のメンタルケアが一番ですが、いざという時の為に少しでも備えをしておくに越した事はありません。
今回は、そのような状況になった時にもしっかり対応できるような保険について見ていきます。
目次
教職員の休職事情
昨今の教職員の休職事情はなかなか改善されていないです。
文科省の調査によると、平成29年度の精神疾患による教職員の休職者数は約5,000人弱となっています。
さらにその他理由による休職者数も含めると、教職員全体で約1%とという状況ですのでそこまで多くないとも思われますが、
一方で10年近く毎年この人数で変動しているので、総数の改善ができていないことは大きな問題点とも言えます。
教職員の仕事環境を早く改善出来れば一番ですが、仕事を休まざるを得なくなった時のための対処を事前に取っておくことも1つのリスク回避方法になります。
教員は休職時のケアが安定している
その中でも教員は恵まれてる?
通常、病気等による休職になると傷病手当金が出ます。
傷病手当金は1年6ヶ月という制限がありますが、公立学校共済組合のHPを覗くと少し事情が違います。
ちなみに、公立学校共済組合のHPに関する記事をまとめたものもありますので、お時間ある時にご覧くださいね↓
公立学校共済組合の場合、傷病手当金は1年6ヶ月に、さらに半年を足した期間内の傷病手当金を認めています。
つまり、これも公的医療保険と同様、
「付加給付」
という理由より、6ヶ月プラスして受け取る事ができます。
これは有り難いですね。
特に精神疾患というのは長期の休みになる可能性が高いので、1年6ヶ月以内に職場復帰出来れば良いですがなかなか難しいことも事実です。
身体だけではなく、心の労りは本当に大事な部分なので、例え長くなっても自身へのケアは丁寧に、かつ慎重に行なっていく必要があります。
そう考えると、半年の差はかなり大きいと言えそうです。
厳密に言うと約3年半程度は安心?
この傷病手当金は、通常、休職してから法定給付としてもらえるものですが、教員の場合はまず、病気休暇による休職になると最初の約1年半は傷病手当金をもらう前に、病気休暇としての給料による減額給付があります。
その後、1年半が過ぎると2年間傷病手当金が出るような形になるので、最大3年半は給与の代わりとなる給付金を受け取る事が出来ます。
これだけ見ると、かなり安心な環境にあるとも言えますね。
精神疾患による休職期間は長期リスクがある
そこまで安心した制度があると、今回取り上げる保険は不要なんじゃない?と考えることも出来ます。
短期間で復帰できる病気や怪我であれば、そこまでの長期間に及ぶ休職はあまりないだろうと思われるからです。
しかし、精神的な理由によるものは、期間に差があり場合によっては数年間の治療を要する可能性も出てきます。
民間の保険では難しい
そのため、精神疾患を理由とする場合、多くの保険会社では基本的に保険がおりないんですね。
病気や怪我を理由としたものについてはおりますが、精神疾患の場合は長期に及ぶ可能性が高いことから、保険会社も保険金を支払う商品をなかなか用意していないというのが実情です。
しかし、そのような時のために、教職員向けの保険が実は存在しています。
以下、その保険について見ていきますね。
就業不能保険を活用できる
そのようなリスク対策のために活用できるのが、
「所得補償保険」
です。
いわゆる、仕事で休まざるを得ない状況になった場合に、傷病手当金とは別に保険を利用して給与代わりにお金を受け取る方法の保険の事を言います。
傷病手当金は、1年6ヶ月という期間制限があるので、それ以上の休みになると給与の支払いを受ける事が出来なくなります。
そう言った場合に、長期の休みに対しても給与と同じように毎月保険金が入ってくるようなシステムを1つ作るだけで生活が安定してきます。
ロングウェイサポートとは?
教職員向けの所得補償保険を考えた場合、まず、
「ロングウェイサポート」
の加入が考えられます。
公益財団法人日本教育公務員共済会という団体が提供している保険になります。
これの特徴は、教職員向けであり、しかも民間の保険会社が敬遠する精神疾患による保険支払いについてもこの所得補償保険については支払いが可能であるということです。
概要について
公益財団法人が用意しているものなので、団体保険であり、通常個人で加入するよりも安く入る事ができます。
現在、団体割引として、
「25%」
の割引適用があるので、団体保険のメリットを受けることが出来ますね。
また、入院している時だけでなく在宅で療養している場合も補償されるのため、病院にかからなくても在宅療養時の保険も受け取る事が出来ます。
さらに、60歳までの長期補償の上、精神疾患の場合でも最長5年間は補償されています。
病気休暇等を含めたら約9年近くは給与の代わりとなるものが用意出来るということですね。
継続補償やその他補償もあり
また、これだけでなく、地震等の天災による身体障害を事由とする就業障害についても補償が付いてます。
多方面からの就業障害によるサポートが付いてるので職場に現状復帰出来れば一番ですが、
何かしら身体に負担を負ったまま復帰した場合でも継続した補償があるため、安心感は高いと言えますね。
補償内容について
補償の期間、保険料の内容ですが、先程示した60歳までの補償を前提に、
保険料も月額5〜30万円に分けて費用が異なってきます。
例えば、35歳加入で、月々20万円の保険料が出る場合だと、
月額3,000円程度、年間で約3万6,000円ほどになります。
団体保険契約になるので、やはり安い掛金で、手厚い保障を受けることが出来るようになっています。
まとめ
今回は、長期休業リスクに備えるための、所得補償保険について見ていきました。
休職しても、短期間で復帰できるような事由であれば、今現在の福利厚生である程度対応できますが、やはり、精神疾患を始めとしたものは長期休業リスクを抱えているため、そのための備えを一考することも場合によっては必要になってきます。
知っておくだけでも違うと思いますので、
加入するかしないかは別にして、こういう団体保険もあるんだなというご確認をしてもらえたらと思います。