最終更新日時: 2024年6月9日
公立教員は、各自治体ごとに互助組合に加入していると思いますが、この互助組合は退職後もいろいろとサポートしてくれる組織です。
その中の一つに医療事業がありますが、老後生活等を考慮して、多くの方が懸念される一つに、
「(定年)退職後の医療について」
があります。
今回は、筆者が居住する広島の互助組合を例に、どのような医療制度となっているのか見ていきたいと思います。
目次
互助組合について
まず、互助組合の大まかな概要を見ていきます。
互助組合は各地域ごとに異なる
互助組合は各自治体によって様々であり、事業内容や存在する組合も異なってきます。
例えば、
・市の互助組合
・県の互助組合
・退職互助組合
など、大きな都市になるほど、組合が細分化されており、各所属する組合に応じて、受けるサポート内容も変わってきます。
互助組合の事業について
互助組合の事業内容は様々あり、
・出産手当金等を給付する給付事業
・住宅や教育といった貸付を行う貸付事業
・人間ドック等の助成を行う福祉事業
など、公立学校共済組合の補助的役割のような形でサポートしてくれる事業が多くあります。
退職者について
公立教員であった場合、退職後は互助組合により医療面でのサポートを受けることが出来ます。
多くの自治体は、退職者向けの事業を用意しており、退職教職員互助組合という形で加入することになります。
もちろん、加入は強制ではなく任意であるため、老後の医療面でサポートを受けたいという場合は、退職後も互助組合に加入すると良いですね。
退職者向けの各事業について
退職者向けの事業は、現職者とは異なり、事業内容は限定的ですが、老後で気になる医療面でのサポートがありますので、
医療保険では不安だという方は、退職互助組合を利用するのも良いでしょう。
今回は、筆者が居住する広島の互助組合の事業内容を例に見ていきます。
退職医療事業の給付事業について
・療養補助金
事由:組合員が医療機関を受診したとき。
内容:保険適用分の総医療費の2割(医療機関ごとに月63,600円まで)
・死亡弔慰金
事由:組合員が死亡したとき。
内容:加入期間に応じて、20,000~200,000円
・慶祝金
事由:組合員が70歳以上の長寿年齢に達したとき。
内容:年齢に応じて(古希・喜寿・傘寿・米寿・卒寿・白寿)、10,000~50,000円
・脱退一時金
事由:組合員がやむを得ない理由で脱退したとき。
内容:加入時の基準掛け金額の1/2を限度として20,000~200,000円
退職医療事業の福祉事業について
・人間ドック助成
内容:1人17,000円を定額補助
・入院助成金
事由:引き続き7日以上入院治療したとき
内容:1日1,000円(1会計年度最高60日間まで)
など、
今回は広島の互助組合事業を例にとりましたが、退職後もこのようなサポートを受けることができると考えると心強いですね。
注意点について
療養補助金の確認について
ただ、もちろん注意点もあり、例えば、退職者向けの互助組合があるものの、組合の財務的な問題により、
療養補助金がなく、医療面でのサポートを十分に受けることができない組合もあります。
この辺りは、組合ごとに異なりますので、加入する際は特に療養補助金の面を中心に確認しておいた方が良いでしょう。
掛け金の確認について
二つ目は掛け金の確認についてです。
現職で組合に加入している場合も月々の掛け金を支払っていると思いますが、当然、退職後も互助組合のサポートを享受する場合は、
組合側に掛け金を納める必要があります。
しかも、加入時の年齢に応じた掛け金の一括納入が基本であるため、退職後のサポートを受けるのと引き換えに、
それなりの掛け金を納めるという点は十分注意する必要があります。
例えば、加入時60万円を一括で支払って、生涯それだけの医療費に関する費用が発生するかと言えば、それはケースバイケースになるため、一概には言えないですよね。
どうしても健康に不安があって加入しておきたいという方は、一括納入による加入価値はあると思いますが、
いずれにしろ、大きな金額になりますので、慎重に検討する必要があるでしょう。
まとめ
今回は、退職後の医療面でのサポート役になりうる互助組合の事業について見ていきました。
年齢が高くなるほど、医療面での不安は募り、なおかつ保険会社も高年齢での保険加入には消極的であるため、
民間の医療保険でカバーするのは、以前より老後のために保険をずっと掛けてきた人に限られてしまいます。
最近では、高年齢でも入りやすい緩和型の医療保険も出てきていますが、月々の保険料も高いなど、
お金の面でも尽きないことが増えてきます。
そういった状況でも、互助組合の制度は、教員ならではの特権とも言えますので、
退職後の医療面を考える場合は、療養補助金や掛け金の確認を十分行いながら検討してみてくださいね!
なお、退職金を利用した退職互助会への検討についてまとめた記事がありますので、あわせてご覧ください↓