最終更新日時: 2024年6月9日
教員の退職金は、一般的な企業でもらえる退職金と比較すると、
金額としては大きくなります。
例えば、定年後、一度に2,000万円もの金額を手にすると考えると、
その使い方次第で、その後の老後の生活も決まっていくと言えます。
退職金を有意義に使うためにはどのように使えば良いのか?
今回は、教員がもらう退職金について上手に使う3つの方法についてまとめていきます。
目次
教員の退職金事情について
冒頭でもお伝えしましたが、教員は、一般的な企業でもらえる退職金額より多いと言われています。
平成31年の地方公務員給与実態調査を基に、
公立教員がもらえる平均的な定年退職手当を見ると、
「約2,200万円前後」
という結果が出ていることから、
管理職等まで勤めると、それ以上の手当て額が支給されると考えられます。
やはり、退職金の金額としては大きいため、
それの使い方が何より大事になってきます。
特に、老後においては、収入が年金頼みとなってしまうため、
再雇用等がない限り、退職金を含めた貯蓄がより重要になってきます。
退職金の3つの使い方について
以上より、受給した退職金の使い方次第で、
老後の生活の質を左右すると言っても過言ではないことから、
以下、教員が理想とする退職金の3つの使い方と、注意点として避けるべき使い方を列挙します。
各種ローンの完済
まず、各種ローンの完済のために使うと言うことですね。
車や住宅ローン等の残債があれば、早めに繰り上げて返済することで、余計な支払利息をなくしていきます。
ローンに関しては、退職金が大きく減る場合であっても、生活上では無駄な支出の一つになりますから、
全ての支出を優先してでも、ローンの完済は目指すべきと言えます。
ただ、退職金満額分の住宅ローンが残っている場合等は、さすがに全額使うと生活にゆとりがなくなる可能性もあることから、
その場合は、ローンの一部繰上による返済が望ましいです。
一部でも繰上返済することで、総支払利息は減額されるため、繰上返済しないよりはした方が無駄な支出の削減に繋がります。
繰り上げ返済に関する記事はこちらにまとめた記事がありますので、あわせてご覧くださいね↓
年金の繰り下げ受給を考えて生活資金に充当
二つ目は、年金の繰り下げ受給を検討するために、退職金を生活費で使うということです。
現在、年金は原則65歳からになりますが、受給する際は、申告することで、
65歳より前もしくは後、両方の時期が可能になります。
また、前倒しで受給すると年金額がひと月0.5%ずつ減額され、年6%減額されますが、
受給する時期を延ばすと、ひと月0.7%ずつ上がり、
1年で年8.4%上がることから、繰り下げ可能な年齢70歳までとすると、
最大42%受給額が増える計算になります。
請求した時点の受給額が一生涯続くことになりるので、やはり、繰り下げ受給の効果は大きいですね。
退職金の一部で資産運用すると不確実な面がある一方で、年金の受給については確実に増えてもらえることになるので、
繰り下げ受給を視野に入れた生活資金への充当というのは、かなり利にかなった使い方であると言えます。
退職互助会への出資
最後の3つ目は、公立教員の話になりますが、
「加入している互助組合において、退職後も加入継続するべく、その際の出資金に充てる(既に現職時から退職互助会に加入している方は除く)」
という方法です。
退職互助会は各自治体によって、金額や保障に関する給付内容が異なりますが、
加入する際に、ある程度大きな出資金(一括納入)が必要になります。
これについては、以前こちらの記事にまとめていますので、あわせてご覧下さいね↓
この3つ目については、
「老後の医療保障の安心を買う」
という要素が大きいです。
つまり、互助会に加入しておくことで、老後の医療費に関する補助金等の保障があることから、
終身医療保険等を利用せずとも、互助会の利用で老後の医療保障の安心を買うことができます。
もちろん、出資金以上に老後の医療費が発生するかどうかという議論はありますが、近年、高齢者に対する医療費負担割合の引き上げ等の流れを見ると、
今後も、現役世代だけでは社会保障費負担が重くなるばかりであるため、
高齢者自身の負担割合も増える可能性は排除出来ない状況になっていると言えます。
そのような日本における社会保障費の問題を憂慮すると、
互助会に加入して、医療費における不安を事前に解消するという考え方も当然出てくるでしょう。
そういった面からも、退職金の一部を互助会加入における出資金に充てるというのも一つの正しい使い方になってきます。
退職金の使い方に関する注意点
使い方を検討する上で、前向きなものもあれば、避けるべき使い方というものも当然あります。
以下、列記していきます。
戸建てやマンションの購入
一つ目が、戸建てやマンションの購入です。
これは、貯蓄が老後生活用として多分にあれば問題ないんですが、
退職金を使うと、貯蓄が少ししか残らないという場合は、戸建てやマンション等の購入は避けた方が良いです。
先般話題になった、老後2,000万円問題を考えれば、退職金を全て使い果たすリスクは大きいということが分かります。
毎月の住宅コストはなくなるかもしれませんが、日々の生活費はそれだけではないですから、
退職金を利用した戸建てやマンション等の購入を検討している場合は、
別途、老後生活用にしっかり貯蓄をしておきましょう!
外貨建て保険等の投資商品の購入
退職金が手に入ると、
「運用して増やそうかな?」
と考える方も多いと思います。
また、それに呼応するように、銀行や保険会社をはじめとした金融機関は、
「その退職金を投資商品に回さないですか?」
と積極的に提案してきます。
もちろん、一定額をそのような資産運用に回すのは良いですが、退職金の大半を運用に回すのはおすすめ出来ないです。
特に、外貨建て保険のようなものは、一度加入すると、中途解約時の元本割れリスクも高くなり、融通が効きづらくなります。
運用する場合は一部にして、残りは生活資金に活用出来るように、
できる限り、解約や払い出しがしやすい環境におくのが適切であると言えます。
まとめ
今回は、教員の退職金における上手な3つの使い方と注意点もあわせてみていきました。
退職金は、老後の生活における質を決める、とても大事な資金になりますので、受給してから考えるのではなく、
受給する前に、どのように使っていくのか?を事前にイメージしながら計画を立てて使うようにしましょう。
その際に、上記の使い方と注意点をあわせて押さえることで、優先度も分かり、老後の生活の質を保てる使い方が出来ます。
ぜひ、参考にしてくださいね!
下記のメルマガにおいても解説しています↓