最終更新日時: 2024年6月9日
私学共済には、独自に公的年金を補完する目的で、
「積立共済年金」
という制度を用意しています。
私的年金としての位置づけであり、保険で言えば、個人年金保険ということですね。
利用する際は、イデコとの併用が理想ですが、
「果たして私学共済の積立共済年金制度は利用した方が良いのだろうか?」
と悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、その積立共済年金制度の概要についてまとめていきますね。
目次
積立共済年金制度について
私学共済の積立共済年金制度とは、将来公的年金をもらう上で少しでもプラスで受け取るために、
別途年金づくりを自分で行うために私学共済事業団が私学教員に用意している制度のことを言います。
この積立をコツコツ行っていくことで退職後に受け取ることができるような仕組みにしています。
もちろん、後述する予定利率というもので運用を行っていくことから単なる積立ではなく、
利率を上乗せして積み立てを行っていくことが出来るので、少しで増やして積み立てをしていきたいという方はこの制度を積極的に利用していった方が良いでしょう。
制度概要
制度概要については、
・月2,000円という少額から始めることが可能。
・予定利率に基づいて積み立てていく(後述します)
・税制適格コースと自由選択コースの2種類からコースを選ぶ。
・短期間で中途解約すると元本割れのリスクあり。
予定利率について
予定利率というのは、将来受け取る年金に、現在どの程度の利率を上乗せして積み立てを行っていくのかというもので、
現在の予定利率は、
「約1.25%」
※令和元年12月1日時点のものであり、随時変動するものであるため、ご加入時は改めて確認をお願いします。
となっています。
ただし、あくまで予定利率であり、販売する際の手数料等を考慮していない数字であるため実際の利率は下がるということになります。
現在の予定利率って低いの?高いの?
銀行の一般定期積立をイメージすると分かりやすいかもしれません。
現在、メガバンクをはじめとした銀行における積み立ての利率は、
「0.002%」
ですから、
銀行で積み立てを行うより、予定利率で運用したほうが増えるということがわかります。
確かに投資信託等の資産運用商品と比較すると、利率としては低いかもしれませんが身近にある定期預金等と比較する場合は何倍も高いということですね。
税制適格コースと自由選択コースとの違い
ここまで予定利率について見ていきましたが、次にコースについて見ていきます。
名前は難しいですが二つの違いを簡単に言うと、
「節税対策」
にあります。
税制適格コースは個人年金保険料控除の対象になるのに対し、
自由選択コースについては一般生命保険料控除の対象になります。
この二つの対象を聞いても、どういうこと?と疑問になる方も多いと思いますが、年末調整の申告をイメージしてもらえれば分かりやすいです。
保険料を毎月払っている方は、年末調整の際にその年に払い込んだ保険金額を申告することで、払いすぎた所得税等を還付してもらえますよね。
保険に入っていれば、
ただ、申告する際に控除額の上限額が決まっているため、保険料を多く支払っている人は上限を超えてしまうと一律となり、それ以上控除を受けることが出来なくなります。
生命保険料控除と個人年金保険料控除の枠は別!
そこで、先ほどの二つの控除の話に戻りますが、上限額が決まっているものの生命保険料として支払っている分と、個人年金保険料として支払っている分の枠はそれぞれ違うんですね。
つまり、その他生命保険料の掛け金が多い人にとってみれば、生命保険料控除になると合算することで上限額を超えてしまいやすくなるため、
個人年金保険料控除を別途使った方がより還付を受けやすくなるわけです。
上記のコースで言うと、税制適格コースの方が個人年金保険料控除の枠として扱ってもらえるため、
少しでも所得税等を軽減したいという方はこちらの方がメリットを受けやすいと言えます。
なお、生命保険料控除について詳しくまとめた記事がありますので、こちらもあわせてご覧くださいね↓
コースが分かれている理由について
そうであれば、
「みんな税制適格コースを選択するのでは?」
と考えますが、個人年金保険料控除を利用するには生命保険料控除より少し条件が厳しいんですね。
例えば、掛け金の積み立て期間の条件が大きくことなり税制適格コースを選択すれば、最低10年以上は積み立てをしないと個人年金保険料控除を受けることができないですが、
自由選択コースであれば、2年以上の積み立て期間として短く設定し生命保険料控除で対応するというものになっています。
基本的に長期で積み立てを行うのが一番の理想であるため、税制適格コースを選択するのが良いですが、
退職等、長期の積み立てが不透明の状況も当然あるため、そういった場合は自由選択コースの方が良いでしょう。
イデコを併用して活用しましょう!
私学教員であればこの積立共済年金制度を積極的に活用していきたいですが、これだけでなく、
ライフプラン全体として考えるのであれば、プラスしてイデコを併用して行っていくのが理想的で良いですね。
イデコは、私学教員の場合上限額が1万2,000円とそこまで高くないため、もう少し月々の掛け金を多くしていきたいと考える方もいらっしゃると思います。
そういったときに、今回の積立共済年金制度と併用していけば節税対策になり、なおかつ将来の私的年金づくりとして十分な備えが出来ます。
ぜひ、イデコもあわせて検討してくださいね!
まとめ
今回は、私学共済の積立年金共済制度についてみていきました。
基本的には、イデコを中心にして、並行して積立共済年金制度の活用を行うことで、
将来的にもらえる年金を増やしていくことが可能になります。
このような仕組みづくりを徹底していけば老後に対する備えも十分なものになるので、両方を上手く使いこなすことが出来るように、まだ始めていない方は積極的に活用して下さいね!
下記のメルマガでも詳しくお伝えしています↓