最終更新日時: 2024年6月9日
今は徐々に働き方改革が進む中、それでも長時間労働が消えない教育業界ですが、
これをそのまま定年まで続けることをイメージするとなかなか大変だと感じる方が多いかもしれません。
実際、私の事務所にご依頼頂く内容の中で、
「長く仕事を続けることが出来るかどうか?」
という点に主眼を置いた悩みも多いのが実状です。
今回は、この忙しさの中でどのような点をイメージしたり、あるいは事前にしておくことが将来への備えになるのかという点についてまとめていきます。
目次
多忙さは依然として消えない
教員の多忙さは今に始まったことではありません。
昔から続く労働環境の延長線上として今があるわけですが、この多忙さに悲観して、
「定年まで働き続けることが出来るのだろうか?」
という不安を持ってしまうのは至極当然の考えです。
今年も、
「精神的な不調により離職を余儀なくされた小中高校教員が過去最多を更新」
したとする文部科学省の「学校教員統計調査」により明らかになりました。
この調査は3年毎に実施し、今回の数値は2021年度中の中間報告数としてあがってきており、小中高校、いずれも統計調査2009年度の離職者から精神疾患を理由とするケースを調査するようになって以降、数・割合として最多だったようです。
定年が近くなると体力勝負の側面も
小中高校、また並行して幼稚園や保育園といった環境においても多忙さは依然拭えない状況です。
また、年齢が若ければ体力でカバーできますが、定年が近くなると50代以降は特に体力的な側面で不安が大きくなる時期です。
つまり、先ほどとりあげた精神的な不調だけでなく多忙さによって体力的な面でも影響を与える事になり、それが結果的には精神面での不調をきたす要因にも繋がってきます。
対処法について
それでは、多忙さに対してどのように対応していけば良いのか?について考えていきます。
①早い段階でのお金の備え
まず、1つ目は、
「お金の備え」
です。
当たり前の話ですが、いざというときに貯蓄があるのとないのとではかなり大きな差です。
積み立て等をはじめとしたお金による備えを極力早く行い、仮に辞めざるを得ない状況になってもそのお金がカバーしてくれるという状況を作っておけば将来への不安を少しでも軽減出来ます。
財形はもちろん、NISAやiDeCoを中心に、場合によっては貯蓄型の保険等を古くから加入しているということであれば、元本割れしない年度はいつなのか等、解約可能な年を前もって確認しておくのも重要なことです。
②キャリアプランをイメージ
2つ目は、
「キャリアプランをイメージすること」
です。
キャリアプランは人それぞれあり、定年まで続けたいという方もいれば、
・転職する
・独立して事業をする
・パートやアルバイト等の雇用形態にする
等様々です。
いずれも前もってイメージしておくことで、いざ辞める状況となっても思い描く状況に持っていきやすくなります。
つまり、
「次のアクションを起こしやすい」
ということですね。
転職するのであれば、前もった企業分析や業界分析が必要であり独立するのであればそれも前もった計画が重要です。
辞めてから考えるより、キャリアプランをイメージして自分や家族にとってどの選択が良い方向にいくのか考えておく事ですべき事が見えてくるようになります。
③心が疲弊していれば一旦休職という選択肢も
最後の3つ目は、
「一時的に休職する」
という方法を頭に入れておくことです。
これは、特に近年仕事が辛かったり、あるいは上記にあげたようなイメージやお金の備え等が不十分な場合で常に頭に退職がよぎる場合など、
そのような時は一時的に休職を視野に入れることも大事であるということです。
精神面・体力面両方で気力がないと特に上記②を考える力も失われます。
幸いなことに、教員の休職についてはしっかりとしたカバーリング制度(給与も出る)があります。
よく、
「使うと迷惑をかける」
と考えがちですが、
しんどい場合は周りのことよりまず自分を守ることが先決。
しかも教員として働いている以上休職制度を使う権利が保障されているため、そのような状況になれば誰でも正当に使える権利です。
頭に入れておくことだけでも精神的な負荷軽減に繋がります。
なお、教員の休職については以前こちらの記事にまとめていますのであわせてご覧ください↓
まとめ
今回は、将来が不安な教員が考えておきたいこと3点についてまとめていきました。
まずは、お金の備え。
そこからキャリアプランのイメージ。
上記二つが不十分な場合でも、休職制度を頭に入れておく。
この3点を押さえておくだけで、将来への教職に関する不安を軽減する事に繋がっていきます。
ぜひ、時間がある時にでも考えてみて下さいね!