最終更新日時: 2024年6月9日
近年、貯蓄から投資という流れに傾いているんですが、
どうしても資産運用という言葉を聞くと抵抗感を覚えてしまう人もいると思います。
本当であれば、貯蓄と投資をバランスよく行う事が理想ですが、
投資信託といった資産運用になかなか踏み切れない人も多いはずです。
そういった点について、今回は見ていきたいと思います。
目次
運用リスクに抵抗感
投資信託といった資産運用は、元本保証がないため、
どうしてもそのような資産運用に対するリスクに対して抵抗感があるのは仕方がない事です。
特に、日本人はそのようなリスクに対して敏感で、アメリカのような家計資産の中で株式等の割合が多いといったご家庭はあまり見受けられません。
なぜ、日本とアメリカでこのような差ができてしまうのか?については、育ってきた環境が大きく異なることも要因の一つになっています。
勉強時間が取れない・取ってきていない
資産運用をするには、ある程度勉強する事も必要です。
そういった勉強時間の確保が取れない事はもちろん、日本では子どもの頃からそのような勉強をしてこなかったという点も大きいでしょう。
それこそ、ここではアメリカを引き合いに出していますが、アメリカでは、幼稚園から高校生に至るまで、
ファイナンスの勉強を各段階において取り入れている事から、将来的な資産形成の方法においても、それぞれに影響を与えているというわけです。
たしかに金融に関する勉強はしていなくとも、日本における家計資産の構築は堅実な面もあり、日本人的気質に合っているという事も言えるでしょう。
そういった気質を上手く利用するためにはどうすれば良いのか?
一番の筆頭候補に上がるものが下記にあります。
忙しい教職員の対処法
教職員はなにかと忙しく、私生活においてまで勉強を確保する時間も取れないのが実情です。
しかし、金銭管理もしっかりしておかないと、住宅購入や子どもの教育資金に四苦八苦してしまいます。
忙しくても、確実にお金が貯まる方法、もっと言い換えると、貯める癖を付ける事が出来るものが、
「財形貯蓄・積立貯金」
です。
「大した方法じゃないじゃん」
と思われた方もいるかもしれませんが、
貯蓄が計画的に進まない人にとってみたらこれ以上の方法はないと言えるくらい、かなり利便性の高いものと言えるんです。
財形貯蓄や積立貯金の効果
財形貯蓄や積立貯金といったものは、毎月自動で積み立てをしてくれるものです。
公立学校の福利厚生としては財形貯蓄になり、私学では、積立貯金という表現になります。
この効果は大きく二点あります。
強制力
まず一つ目の強みは何といっても、
「強制力」
にあります。
収入があると同時に自動的に積み立てされるわけですので、先に貯蓄をすることができます。
よく誤解しがちな点として、
貯蓄を計画的にする場合は、
「収入から支出を引いた分を貯蓄にする」
という考え方がありますが、これだと不定期にしか貯めることが出来ないため、
貯蓄が思うようにできないんですね。
収入があれば、
「支出より先に貯蓄」
という行動をとることができ、否が応でもお金が貯まっていきますので、
計画的な貯蓄へとつながっていきます。
システムづくり
二点目も資産形成に向けた大事な点になります。
財形や積立貯金を始めるにあたって、こちらとしては、一度設定するだけでお金を貯め続けることができます。
何事もそうですが、貯める目標を作るときは、
「システムづくり」
が何よりも大事です。
一度、”貯めるシステム”さえ作っておけば、後は放置するだけ。
これだけで、手間がかからず、お金の管理がしやすくなり、
確実に資産を構築していくことができます。
ちなみに、私学共済の積立貯金については、こちらの記事にまとめてありますので、あわせてご覧ください。
財形貯蓄は住宅用や年金用もある!
財形貯蓄は、一般的な財形貯蓄だけでなく、住宅用に貯める財形貯蓄と、
年金用に貯めていく財形貯蓄があります。
それぞれ簡単に下記にまとめてみます。
一般財形貯蓄 |
財形住宅貯蓄 |
財形年金貯蓄 |
|
趣 旨 |
特になし |
住宅購入目的のみ |
年金目的のみ |
加入対象 |
教職員(非常勤講師や臨時的任用職員は除く) ※非常勤講師や臨時的任用職員も地域によっては一般財形貯蓄のみ加入もあり |
||
年 齢 |
無制限 |
55歳未満 |
|
積立額 |
1,000円以上 |
||
課 税 |
利子に20.315% | 住宅・年金合計550万円まで非課税 |
上記の比較図は、あくまで一般的な内容のため、各共済組合の財形制度をしっかり確認してもらう必要はありますが、
勤務先で手続きも済ますことができ、かつ始めるためのハードルがかなり低いので、取り掛かりやすい制度となっています。
資産運用も大事だけど・・・
本当であればあわせて資産運用も行うのがベストです。
それは何も、金銭を一括払いでする必要はなく、だれでも取り組みやすい
「つみたてNISA」
でもいいのです。
つみたてNISAの記事についてはこちらの記事をご覧ください。
こちらであれば、運用リスクを最小限に抑えて資産形成に取り組むことが出来ます。
迷ったら財形貯蓄や積立貯金
上記にあげたつみたてNISAですが、こちらも最低限の知識は必要になってきます。
時間がなく、まずはお金を貯めていく必要があるという方は、財形貯蓄や積立貯金といった方法を先に取り入れてください。
強制力があるという強みを生かすことで、貯蓄が苦手な方でも確実に資産形成を行っていくことができます。
まとめ
今回は、資産運用に抵抗がある方が、最低限の資産構築に向けて取り組むべき方法についてみていきました。
財形貯蓄と積立貯金を少しでも早くから始めておけば、将来的に資金が必要になった時の万が一の備えにもなり、
確実な資産形成を行うことが可能になります。
財形や積立貯金を利用していない方は、ぜひ、早めに利用して確実な資産形成をしていきましょう!