最終更新日時: 2024年6月9日
こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの山下です。
教員を退職するという場合、中途で退職する場合と定年退職と二種類あります。
その中で、特に今回は中途退職した場合において、教員を辞めてからの押さえておくべきお金に関する注意点についてまとめていきます。
教員(公立・私立)の福利厚生は手厚い傾向
教員は、公立・私立問わず比較的福利厚生面としては手厚い環境下に置かれています。
もちろん、今問題になっている労働環境とは別問題ですが、給与や賞与の多さだけでなく医療費や住居費の補助等も含めて享受できる環境は比較的整っています。
しかし、この環境しか知らないという場合は万が一退職等によりしばらく休んだり、あるいは別の転職先における福利厚生面を知ると手厚さに驚くケースも出てくるかもしれません。
以下、ケース別に考えていきます。
しばらく休むケース
教員を辞めてしばらく休むという場合、あらゆる補助がなくなるため必要に応じて保険に加入したり、あるいは積み立てを上手く活用していく必要があります。
特に、預貯金が少なくなってくると万が一の医療面について自己負担額が大きくなる可能性があります。
そのような状況のために、医療費の補助等もないため保険適用外の治療のために医療保険でカバーしたり、あるいはそれまでに貯めていたお金で生活費をカバーしていく必要性が出てきます。
お金の用意はもちろんですが、この期間になると将来への積み立てもしばらくは出来なくなります。
そのためにも、最低限国民年金の保険料だけでもしっかり納めていくことが重要ですが、それもキツくなる場合には法定免除申請があることから、それを申請することで年金保険料の免除適用を受けることが可能です。
これについては、以前こちらの記事にもまとめていますのであわせてご覧下さい↓
転職するケース
次に転職するケースについてです。
これは、教員という職から完全に離れて、一般企業に就職する場合を想定します。
基本的には、教員にいた頃の環境と類似する部分が多くなりますが、例えば中小企業の中でも特に小さい企業等は福利厚生面が充実していない状況となります。
具体的内容として、例えば住居費の補助が出なかったり、それだけなら良いですが賞与が出ないという場合も当然出てきます。
そのため、今まで賞与を前提とした家計管理を行ってきた場合(例えば、住宅ローンを組んでローン返済についてはボーナス返済の比率を大きくする等)は、それの見直しをしていく必要が出てくるわけです。
もちろん、賞与が保証されている先に転職することが家計としても良いですが、
・そのような企業に上手く転職出来るかどうか
また出来たとしても、
・教員と異なり企業は利益が出ない場合は賞与の変動も激しくなる
ため、安定して受給出来ない可能性も出てきます。
退職したら、そのような点を特に注意しておくことで家計管理の見直しに繋げやすくなります。
独立するケース
最後の三つ目は転職ではなく、
「自分自身で独立する人」
です。
これも、一つ目の状況と同じで基本的には福利厚生云々という話はなくなるため、自らで用意していく必要があります。
例えば、医療面はもちろん家族がいる場合は死亡保障を手厚くしたり、あるいは退職金代わりに毎月の積み立て額を増やすといった方法もあわせせて検討していく必要性が出てきます。
あらゆる事を全て自分自身で用意するという大変さについては、事業主として行っていく上で受け入れる必要があると同時に、早めに身の回りの事を固めて自らの事業に集中していくことが重要になるということですね。
置かれてる環境を客観視して自身で確立していく
以上、三つのパターンで分けて見ていきましたが、あらゆる点で教員にいた頃と状況は全く異なるためより俯瞰して見ていくことが必要になってきます。
そのためにも、早く置かれている状況を理解しながら必要なものについては早めに確立しつつ、広く計画的に構築していくことが重要になると言えるでしょう。
まとめ
今回は、教員が転職や独立等を機に退職した場合について、その後のお金に関する注意点についてまとめてきました。
基本的には、共済組合制度を利用できた手厚い環境から離れて、場合によっては自分自身で様々な計画をたててお金を積み立てるといった状況にもなりうるため注意していく必要が出てきます。
退職を予定している方や既に退職されている方も含めて、今後やるべきことや注意すべきことはしっかり押さえておきましょう!