最終更新日時: 2024年6月9日
家を購入して、住宅ローンを組む際に、よく「フラット35」という言葉を聞きます。
フラット35というのは、住宅ローンの販売商品の一つですが、銀行が提供しているものとは異なり、あくまで窓口となっているだけで、実際は国の独立行政法人としての形態で、住宅金融支援機構が提供している住宅ローン商品となります。
このフラット35は、一般の住宅ローンとどのように違うのでしょうか。
比較しながら、フラット35の利点や向いている世帯をみていきたいと思います。
目次
フラット35の概要について
フラット35は、上記で申し上げた独立行政法人住宅金融支援機構が提供する住宅ローン販売商品になっています。
概要としては、借り入れ期間35年間という期間と全期間一定金利となるという点が特徴で、変動金利といったものに左右されずに、計画的に返済していきたい方のために提供しているものです。
35年間ずっと固定金利なので、返済額もずっと同じ、すなわち返済計画が非常に立てやすいという側面があるので、依然としてこの条件で契約される方も多いです。
そのため、多くの銀行が窓口で代理店となって販売している状況です。
フラット35のメリット・デメリット
ここで、フラット35のメリット・デメリットをそれぞれみていきたいと思います。
メリット
・35年間ずっと同じ金利である。
・保証料がかからない。
・繰り上げ返済手数料がからない。
・個人事業主など、収入が安定しない職業の人でも組みやすい。
・団信加入が自由なので、健康に不安がある人でも組みやすい。
・勤続年数が短い人でも組みやすい。
デメリット
・団信に入れない場合がある。
・団信に入れたとしても、住宅金融支援機構が提供している団信は、銀行のものより高い。
・ずっと同じ金利のため、低金利時代が長く続くようだと、変動金利より高い金利状態が続いてしまう。
メリット・デメリットの各種項目について
以上あげてみましたが、比較的メリットの方が多い印象です。
銀行の提供する住宅ローンより、ローン契約を結びやすいという点も特徴的で、収入が安定しない職業だと、銀行の場合はローン審査に引っかかりやすくなります。
その点、フラット35は、勤続年数などもあまり考慮されませんので職業云々であまり惑わされる事はありません。
ただし、窓口である銀行が、フラット35の審査の前に事前審査というものを用意しており、そこでは2年、もしくは3年分の収入証明書の提出を求めたり勤続年数の条件を設定していたりしています。
そこで、審査が通らないなんて場合もあるため注意は必要です。
もし、そのような条件が不安な方は銀行の事前審査を通さずにフラット35の本審査を一発で申し込むいう方法もあります。
銀行の事前審査を通さないという事は銀行の住宅ローンを使わないという事になりますが、それでもフラット35が良ければそちらのみで審査をするのも手段としてはあります。
団体信用生命保険(団信)について
上記それぞれの項目をあげてみましたが、その中で
「団信」
というワードがあります。
これは団体信用生命保険の略で、内容としては借主が万が一亡くなる、もしくは高度障害状態となったときに住宅ローンの残りの金額を全て肩代わりしてくれるという住宅ローンの専用保険です。
銀行の提供している住宅ローンは団信加入が条件になっているため、もし健康状態が良くなくて加入審査に落ちた場合その時点で銀行の住宅ローン契約は結べないことになってしまいます。
銀行としてはローンを返せなくなるというリスクを一番嫌うので、条件付にしています。
対して、フラット35の提供は住宅金融支援機構であり国の行政法人が担っているものであるため、銀行と比較してそこまで厳しくありません。
一応住宅金融支援機構が提供している団信もありますが、あくまで任意のためローンを組む点では考慮しなくても大丈夫です。
団信に入れない人はどうすれば良い?
そのため、上記であげたメリット・デメリットを見て頂ければ分かると思いますが、団信に入れない人はフラット35という手段を使う事で住宅ローンが組めないという事態になることもありません。
しかし、団信に加入せずに住宅ローンだけ組んでも万が一の時があった場合、残された家族の負担は相当なものになってしまいやはり不安は残ってしまいます。
そのため、別途保険会社で収入保障保険という保険に入る方法もあります。
収入保障保険とは、万が一の時に収入の代わりになるように定期的に保険金を受け取れる商品の事で、不測の事態になってもその保険金からローン返済に充てるという事になります。
注意点としては、
「住宅ローン返済専用ではないので保険金を受け取って自分で返済していく」
という流れは依然として残るということです。
団信であれば、不測の時点で一括返済してくれますが、任意で収入保障保険に加入している場合は返済義務が残り続けます。
しかも保障期間が決まっているので、その期間外に不測の事態が起こると保険金を受け取れないというリスクもあります。
ただ、やはり加入しないよりは安心ですので、代わりとなる保険商品に入っておくことが家族の為にもなります。
メリットとデメリットは表裏一体な面があるため、裏を返せばという言い方にもなりますが、それでも、銀行の住宅ローンより組みやすい面があることも事実です。
フラット35を検討するためのポイントについて
検討ポイントは、総合的な判断になりますが、もちろん金利にも注意が必要です。→最新の金利情報はこちらからご確認ください。
また、フラット35を考える上では、やはり、メリット・デメリットを見た際に、銀行の住宅ローンとどちらが自身に適ったものになっているかという点であると思います。
さきほど挙げたように、
「団信の加入のしやすさ」
であったり
「変動金利が嫌いで、払い終えるまで返済額をずっと一定にしたい」
といった意向があればフラット35の方が良いと思います。
メリット・デメリットをみながら、ぜひチェックしてみてください。
教員も検討余地はあり!
もちろん教員も検討余地は十分にあります。
例えば、
・変動金利より固定金利のほうが返済計画を立てることができて安心だと考える世帯
・団信の加入がうまくいかない世帯
などは、今回のようなフラット35を利用検討するという流れをとるといいですね。
まとめ
フラット35は、最初のローン契約を結んでから特に何も手を付けないでいると一生同じ返済額が続く事になります。
返済や貯蓄といったライフプランを計画的に行いたい人にはとても分かり次第やすい商品です。
最後に、繰り返しになりますがフラット35は銀行で取り扱ってはいるものの、あくまで独立行政法人が主体のもので銀行の住宅ローンとは別のものになります。
その点を注意しながら、ぜひ双方を比較して自身に合うローンを選択して頂ければと思います。