非常勤講師の家計管理とライフプランの形成について

最終更新日時: 2025年12月8日

こんにちは。

ファイナンシャルプランナーの山下です。

非常勤講師という働き方は、時間的な自由と、教育に対して純粋に追求できるキャリアの1つです。

しかし、その一方で、月々の収入が変動しやすく、ボーナスや退職金がないことから、

「家計管理が難しい」

「将来が不安」

と感じている方も少なくないでしょう。

この記事では、非常勤講師という働き方の特性を活かし、安定した家計を築きながら、自分らしい豊かなライフプランを実現するための具体的な方法を解説します。

非常勤講師が直面する家計の課題とその解決策

非常勤講師として働くうえでの家計管理における最大の課題は、やはり「収入の不安定さ」です。

夏休みや冬休みなどの長期休暇期間は授業がなく、収入が減少します。この変動にどう対応するかが、安定した家計を築く上でのキーとなります。

1.年間収入を把握する「家計の見える化」

まず行うべきは、月々の収入の変動を前提とした

年間での家計の見える化

です。

月ごとに収支を把握するのではなく、1年間を通して総収入と総支出を予測し、月々の平均額を算出していきます。

・収入の予測: 担当する授業のコマ数、時給単価等から、年間の総収入を概算。長期休暇期間の収入減を織り込むことが重要。
・支出の予測: 固定費(家賃、ローン、保険料など)と、変動費(食費、交際費、娯楽費など)を月々で計算後、年間の総額で算出。

これにより、収入が少ない月でも、平均支出額を上回るお金を貯めておくことの必要性が明確になっていきます。

2.収入の少ない月に備えるための貯金法

収入が少ない月に慌てないためにも、事前の準備が不可欠です。

①予備資金: 収入が多い月に、支出を上回る分の資金を「予備資金」として別の口座(普段使いしない口座)に移します。このお金は、収入が少ない月に生活費として引き出すための資金です。

②自動積立: 銀行の自動積立サービスを活用し、収入が多い月から一定額を貯蓄用口座に自動で移す設定をします。これにより、自分の意志で引き出すことを防げます。

未来をに向けたライフプランの設計について

非常勤講師は、常勤講師に比べて退職金や昇進等を考慮する必要がないため、自ら能動的にライフプランを設計する必要があります。

1.講師業以外の収入源を確保する「パラレルキャリア」の構築

非常勤講師としての働き方の強みは、時間的な柔軟性があることです。空いた時間を活用し、収入の柱を複数持つ「パラレルキャリア」を構築することが将来への備えにも繋がっていきます。

・専門性を活かした副業: 担当教科に関連する専門知識を活かし、オンラインでの個人レッスンやブログ執筆、教材開発など、他の収入源を確保することが大事。

・クラウドソーシング: スキマ時間を活用して、ライティング、デザインなど、単発の仕事を受注するのも方法の一つ。

これにより、収入の不安定性を補うだけでなく、将来への自身のスキルアップにもつながり、キャリアの選択肢が広がっていきます。

2.将来の大きな出費に備える積立投資について

非常勤講師には退職金がないため、老後資金や住宅購入、子どもの教育費といった将来の大きな出費に備える必要があります。

そこで有効なのが、新NISAのつみたてNISAやiDeCoといった国の制度を活用した積立投資です。

・つみたてNISA: 毎月一定額を積み立てることで、投資で得た利益が非課税に。少額から始められ、長期的な視点で資産を増やすのに適しています。

・iDeCo(個人型確定拠出年金): 老後資金を形成するための私的年金制度。掛金が全額所得控除の対象となり、税制上の優遇措置が受けられます。

これらはとにかくコツコツ型で、今一気に増えるような資産形成術ではありません。

しかし、コツコツしていけば、口座にお金を置いておくより着実に増やしてくれる資産形成方法の一つです。

もちろん、投資であるため、上下のふり幅があり、場合によっては元本よりマイナスになることもあるかもしれません。

しかし、一定額ずつ積み立てることでできるだけそのリスクを平準化し、初心者でも手を出しやすい資産形成方法の初手であるとも言えます。

これらは早い段階から活用し、時間を味方につけてコツコツと資産を育てることで、老後の不安を解消し、将来の選択肢を広げることができるでしょう。

人生の満足度を高める時間の使い方が重要

非常勤講師の働き方を選ぶ主な理由は、「時間的柔軟性」です。この時間をどう使うかが、人生の満足度を大きく左右します。

スキルアップ: 資格取得、語学学習、専門分野の研修など、自身の市場価値を高めるための自己投資に時間を使つこと。

人とのつながり: 授業外での交流会や勉強会に参加し、他校の講師や異業種の人々と交流することで、仕事の機会等を模索すること。

心と体の健康: 趣味の時間、家族との時間、そして十分な睡眠を確保することで、心身ともに充実した状態を保つこと。

非常勤講師という働き方は、単に教えるだけでなく、自分自身の人生を豊かにするための時間という資産を有効活用することにあります。

まとめ

非常勤講師の家計管理は、収入の不安定性という課題がある一方で、それを補うための工夫や、時間的な自由を活かした新たな収入源の構築が可能です。

重要なのは、「何のために非常勤講師として働くのか」という問いに立ち返ること。

収入の安定だけを求めるのであれば、非常勤講師ではなく、シンプルに常勤講師としての働き方が適しているかもしれません。

しかし、教育へのスタンスを保ちながら、自らの人生設計を図っていきたいのであれば、非常勤講師という選択肢は柔軟性があり最適です。

家計管理とライフプランの考え方を参考に、あなた自身の価値観に基づいた、安定と自由が両立する自分だけの人生におけるポートフォリオをデザインしていきましょう。

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