最終更新日時: 2024年6月9日
こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの山下です。
さて、2024年1月からスタートする新NISA制度。
貯蓄から投資の時代に向かう中、このツールを使わない手はないですね。
今回はこの新NISA制度に関する概要と教員という職種から考える使い方について見ていきます。
目次
新NISA制度の概要について
以下、旧NISAと新NISAに分けて考えていきます。
旧NISAについて
今までの旧NISAというのは、
・一般NISA
・つみたてNISA
の2種類に分かれていました。
内容としては、
一般NISA→年間120万円までの投資が可能並びに非課税期間が5年間
つみたてNISA→年間40万円までの投資が可能並び非課税期間が20年間
また、一度買い付けるとその枠を消費することとなり、一旦売却した場合でも投資枠は復活しないという内容でしたが、今度の新NISAではこの枠が復活するというのはわりと重要なポイントとして押さえておく必要性があります。
新NISAについて
そして新NISAですが、旧NISAのような一般NISAとつみたてNISAという分け方ではなく、
・つみたて投資枠
・成長投資枠
の2種類が新設されます。
そして、
「投資可能期間が恒久化」
かつ、
「非課税期間も無期限」
であるということ。
また、今までの旧NISAにはなかった
「生涯投資枠」
という括りを新たに設けて、
「1人1,800万円まで」
という生涯の投資上限額を決めて投資していくという概要になっています。
さらに、そのうち
「1,200万円」
までが成長投資枠となります。
併用が可能である
つみたて投資枠と成長投資枠という2種類の新設に伴い、成長投資枠には上限額も決められていますが、旧NISAにはなかった
「併用が可能」
という点はかなり大きなメリットとして押さえておく必要があります。
ちなみにこの2つについては
「年間投資枠」
がそれぞれ設けられており、
つみたて投資枠→年120万円まで
成長投資枠→年240万円まで
となっているわけですが、
先述した「併用可能」により、
「合計年360万円まで」
投資が可能ということになるわけです。
生涯1人1800万円ということなので、
極端に云えば、
「1年間360万円上限いっぱいに投資して5年間で終了する」
ことも可能と言えます。
しかし、ひと月30万円も投資に回せる世帯というのはかなりの入金力、もしくは資産がないと厳しいため、
家計収支をしっかり確認して、
「月にいくらぐらい新NISAへお金を回せるか?」
という点は把握しておく必要があります。
教員が新NISAを使っていくためには?
では、この新NISA制度を教員が使っていくためには
・どういう点に気を付けて使っていけばいいのか?
・どう上手く使っていけば良いのか?
という点について列挙すると、
・ボーナスの使い方
・財形貯蓄や個人年金保険等とのバランス
・退職金の補足ツールとして捉える
等があげられます。
ボーナスの使い方について
まず、ボーナスの使い方について。
教員は主に年2回ボーナスの支給がありますが、普段の月額給与もそうですが仕事に比例して支給額は他業種と比較して多めです。
特に、ボーナスについては高額受給となるため使い方が非常に重要になります。
ボーナス云々にかかわらず、例えば
「新NISAはつみたて投資のみで月に3万円だけ回す」
等、事前に決めている場合はあまり気にする必要はありませんが、それにプラスしてもっと新NISAに回したいという場合。
まずは、
「優先的に使う事項を列挙」
した上で、それでも余った額について新NISAの運用額に回すといった手順が重要です。
「ボーナス全額を新NISAに回す」
というやり方については、家計の預貯金や収支によほどの余力がない限りは行わないようにし、ローンや教育費等回すべき項目があれば優先して使いながら残額を有効活用とするという手順は明確にしておく必要があります。
財形貯蓄や個人年金保険等とのバランス
次に財形貯蓄や個人年金保険等とのバランスについて。
財形貯蓄や個人年金保険等を別途されている方は多いと思いますが、そこの積み立て額をしっかり考慮する必要があるということです。
資産形成は新NISAだけではないという点は注意
新NISAがスタートして、話題性に気を取られて新NISAのみの積立額しか考慮していないとその他の積立と合算した際に無理が生じる可能性が出てきます。
資産形成を行っていくうえで新NISAは大変重要なツールではありますが、今まで資産構築してきた手段というのはそれぞれ異なります。
それを除外して新NISAのみに注力すると、それに対する資金が増えて資産形成ばかりにお金が集まり家計管理のバランスが崩れてしまいます。
住居費、教育費、食費等家計管理を安定させるためには全てバランスよく回していくことが大事。
必ず現在の収支からどの程度貯蓄や資産運用等に回せるかを計算した上で、新NISAへの積み立て額を決めていくという点は押さえておきましょう!
退職金の補足ツールとして捉える
最後の3つ目は
「新NISAを退職金の補足ツールとして捉える」
という点です。
教員は昔と比べて徐々に退職金が減額されている現状をご存知ですか?
以前、こちらの記事にまとめていますのであわせてご覧下さい↓
退職金減少に対する認識からスタート
まず、定年まで勤めても以前と比べて退職金が減らされている現状をしっかり把握する事が重要です。
じゃあ把握するだけで良いのか?というとそういうことはなく、もちろん対策を考える必要があります。
それが、
「別の手段による資産形成」
であり、そのツールが
「新NISA」
であるということです。
退職金の代替手段として有効活用するための注意点
現状、iDeCoが老後の準備資金ツールとして一番手にあげられますが、教員は公立・私立問わず掛け金上限額が
「1万2000円」
と低く抑えられているため、なかなか多く積み立てを見込めないのが現状です。
そのため、iDeCoだけでなく今回からの新NISAを上手く活用しながら減らされている退職金を補う役割を担ってもらう事が重要になります。
資産運用を
「長期・分散・積立」
を基本として継続していけば、後々積み立てた額以上の資金を準備しやすくなるため、退職金準備の代替手段として一番使いやすいツールと言えます。
もちろん、資産運用であるため相場の時期によって元本毀損が発生する可能性もあります。
しかし、相場は上げ下げが常であるため、そのような時期も淡々と続けていけば利益を生みやすい状況を作りやすくなるため下がったから売却という悪手を取らないことが大事です。
その辺りを注意していけば、退職金の代わりとして十分機能を発揮出来るツールと言えます。
ということです。
まとめ
今回は教員による新NISA戦略について見ていきました。
新NISAが2024年からスタートするにあたり、しっかり長期のライフプランを立てながら有効活用していく事が重要です。
特に今回取り上げた3点について注視しながら、教員としてどのように新NISAを使っていけばいいのか把握したうえで、長期的な付き合いが上手く出来るように注意点を押さえながらぜひ上手に活用していって下さい!
以下のメルマガでも詳しくお伝えしています↓