最終更新日時: 2024年6月9日
住宅ローンを契約する時、銀行が私たちに融資をする代わりに、家や土地などの不動産に対して抵当権というものを付けます。
抵当権ってそもそもなんでしょうか?
手続きをしていく上で、また、ローンのを組んでからも大事なものですので、その点についてまとめてみます!
目次
抵当権設定契約とは?
住宅ローンの契約を行う場合、まず、金銭消費貸借契約という契約を結びます。
これは、お金の貸し借りをしますという契約ですが、これとほぼ同時に行うのが抵当権設定契約というものです。
金融機関や法律、不動産関係の方以外ではあまり聞きなれない用語ですが、簡単にまとめると、お金を貸す代わりに抵当権を付けますという契約になります。
この抵当権を付ける・設定するという言葉は、日常私たちがよく使う言葉にある、「家や土地を担保にとる」という事と同じ意味になります。
抵当権をなぜ付ける?
抵当権をなぜ付ける必要があるのでしょうか?
理由としては、「返済出来なくなった時のために、優先的にお金を回収する権利を得ておくため。」ということです。
もう少し詳しくまとめますと、
「お金を長期間貸しますが、万が一、返済出来なくなった時は、抵当権という権利を使って、優先的に私たち(保証会社含む)が家や土地を売ってお金に換えて回収しますからね。」
ということです。
この権利に基づいて、裁判所などに手続きをお願いする事で、抵当権という権利を行使して、競売にかけることができます。
抵当権を使うのは最終手段
抵当権をつける理由は、いざ返済出来なくなった時のための、最終手段となる権利を前もって確保しておくためということですね。
貸す側である銀行は、とにかく返済不能という状態を最も嫌います。
貸したお金が返ってこなくなるということは、お金を無償で渡している事と同じであり、絶対に避けなければならないのです。
ですので、お客さんが返済不能になっても、銀行側としてはそのリスクを回避するために、抵当権という大事な権利があるのです。
もし住宅ローンが返済出来なくなったとき?
住宅ローンが返せなくなった時、先ほど取り上げた抵当権という権利の出番になります。
ただ、すぐに権利を行使するわけではありません。
その前に、返済して下さいという督促が必ずきます。
返済が出来ていなくても、いきなり、
「不動産を売却します」
と言われたら困りますよね。
明日から住む家がなくなるわけですから。
まずは督促状から
一定の期間内に返済がないお客さんに対しては、まず督促状が届きます。
期限が定められていますので、その期限内に返済すれば問題ないです。
しかし、期限内にやはり返せない状況にある時は、最終手段として抵当権の行使に移っていきます。
そもそも、返済出来る状態にある人は、督促状などをもらう前に返済しているはずです。
督促状をもらう事態になれば、家を手放す時期が近いということです。
銀行と保証会社の存在?
この行使する人、実は二つに分かれます。
一つは、銀行で分かりやすいと思いますが、もう一つ、保証会社という存在があります。
住宅ローンを契約する時に、多くの場合、銀行には後ろ盾として、関連会社である保証会社も関わってきます。
銀行は、先ほどもあげましたが、とにかく返済不能を一番嫌います。
そのため、後ろ盾として保証会社をくっつける事で、いざ返済不能になっても、お客さんの代わりに保証会社が銀行に弁済します。
一見すると、
「銀行は良い立場だなぁ」
と思われるかもしれません。
しかし、この立場関係に優劣はありません。
保証会社はなぜ後ろ盾になる?
保証会社は、なぜそのような事が出来るのかと言いますと、後ろ盾というリスクを負う反面、私たち借り側からローン保証料をもらって利益をあげているからです。
住宅ローンを契約する際の諸費用にあたる、ローン保証料ですね。
平均的に50〜60万円ぐらいはします。
保証会社はこの利益をもらう分、銀行に対する返済不能リスクを請け負う形になり、債権者としての立場が、
銀行→保証会社へと移ります。
銀行は、保証会社から借主の代わりに残額を一括で返済を受けるので、その時点でお役御免です。
保証会社は、借主の代わりに返済するので、残額の返済した分を借主に請求する権利があります。
つまり、借主は、この状態になると保証会社への一括返済をしなければならず、返済出来ないと競売にかけられるという流れになってしまいます。
抵当権を行使されないために?
抵当権を行使されるということは、それだけ返済が非常に危ない状況を指します。
これを使われないようにするためにはどうすればよいでしょうか?
まずは銀行の窓口に相談を!
まず返済が出来ない事情がある場合、銀行にすぐ相談することです。
銀行側がなんらかの対応をしてくれるので、家族だけで抱え込まない事が大事です。
銀行も返済不能になってしまっては困るので、返済額を軽減すると言った措置を検討してくれるのです。
ただし、銀行によってはリスクある行動にもなるので、相談側も厳しい立場で臨まなければなりません。
まとめ
住宅ローンを返済出来なくなった場合に備えて付けるものを抵当権の設定と言いましたが、もちろん、返済が順調に進み、満期まで何事もなければ、この権利が発動される事はないです。
しかし、急な出費や仕事場での収入が年々落ちていく場合もあります。
住宅ローンの返済に少しでも影響がありそうな変化があれば、すぐ銀行に相談することが先決です。
そうすれば、担当者も親身になって相談に乗ってくれて、競売手続きまで行かないような返済計画を一緒に考える時間というのを作ってくれます。
この権利を使われる事がないように、前もって返済計画をしっかり立てて、ローンの返済に取り組んでほしいと思います!