最終更新日時: 2025年9月11日
こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの山下です。
公務員等の安定した職に就いていても、老後資金や将来への漠然とした不安を感じることは少なくないのではないでしょうか。
そのような将来への資金準備の中で、つみたてNISAやiDeCoといった堅実な資産形成に加え、「暗号資産」という選択肢を考えてみたことはありますか?
高いリターンに魅力を感じる一方で、
「何から手をつければいいのかわからない」
「本業に支障が出ないか不安」
と感じている方も多いでしょう。
この記事では、教員という職業の特性を踏まえ、暗号資産と賢く付き合うための重要なポイントを解説します。
目次
本業あっての資産形成であることを忘れない
教員の仕事は朝早くから、帰りも日が暮れるまでかかる日がほとんどです。
時間がなかなか取れないですが、暗号資産取引は24時間365日可能であり、価格も常に変動します。つまり、時間外にいつでもできるというメリットがあります。(国内の株式投資も夜間PTSがあるが取引の活発度合いは日中より大きく落ちる。)
ただ、日々の値動きに一喜一憂し、授業中にチャートが気になってしまうようでは本末転倒ですね。
「投資は余暇時間にやるもの」という意識を強く持つことが重要です。
本業に支障をきたすような精神的負担を感じたら、それはすでに投資の範囲を超えています。暗号資産に取り組む際は、まず自身のワークライフバランスを崩さないことを最優先に考える必要があります。
以下、どのような点に注意してアプローチすればいいかあげていきます。
その1:生活防衛資金には絶対に手を出さない
暗号資産はハイリスク・ハイリターンな投資商品です。今日100万円だった資産が、明日には50万円になる可能性も十分にありえます。
万が一に備える「生活防衛資金」(3ヶ月〜1年分の生活費)を暗号資産に投じるのは絶対にやめましょう。
投資に回すのは、失っても生活に困らない「余剰資金」の範囲に限定するべきです。
この鉄則を守ることで、精神的な安定を保ち、長期的な視点で投資に臨むことができます。
その2:分散投資の徹底と長期保有戦略の有効性
暗号資産だけに全資産を集中させるのはとても危険です。
資産形成の王道であるつみたてNISAやiDeCo、インデックスファンドに長期・積立・分散投資を行いながら、そのポートフォリオの一部として暗号資産を組み入れるのが賢明な戦略ですね。
また、頻繁な売買(デイトレードなど)は、時間的制約のある教員には不向きです。特定の暗号資産を一度購入したら、数年間保有し続ける長期保有の戦略が有効。教員は多忙ですからね。
日々の値動きを気にせず、本業に集中できるため、精神的な負担も軽減されます。
その3:信頼できる取引所の選択と万全なセキュリティ対策
暗号資産の取引は、ハッキングや詐欺といったセキュリティリスクと常に隣り合わせです。口座開設は、金融庁に登録されている信頼性の高い大手国内取引所を選びましょう。
また、下記を軸にしたセキュリティ対策は必ず行ってください。
・二段階認証の設定は必須
・パスワードを使い回しをしない
・取引所やウォレットから送られてきたメールアドレスやURLが正しいか確認する(フィッシング詐欺対策)
→基本的にメールアドレスに記載されるURLリンクは踏まないことが重要!
これらの対策を怠ると、大切な資産を失ってしまう可能性があります。
その4:暗号資産の税金について理解する
暗号資産で利益(売却益や他の暗号資産との交換など)が出た場合、原則として「雑所得」として確定申告が必要です。
給与所得と合算され、所得税の税率が適用されます。
年間の雑所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。(※給与所得が2000万円以下の会社員・公務員の場合)
取引の回数が多いと、利益の計算が煩雑になります。
事前に税金の仕組みを理解し、取引履歴をしっかり管理しておきましょう。
実際、教員は基本的に確定申告をする機会はなく、年末調整で完結してしまいます。
いざ取り掛かる際に不安な場合は、税務署や税理士等に相談するのが良いでしょう。
その5:「なぜその暗号資産を選ぶのか」を説明できるか
周りが「この暗号資産が上がるらしい」と言っていたから、といった理由で安易に投資するのは危険です。
これは暗号資産に限らず、ほかの投資信託や株式投資等の金融商品も同じ。
・その暗号資産は何の技術がすごいのか?
・開発のチームは信頼できるか?
・将来性はあるのか?
など、
「なぜその暗号資産を選ぶのか」を説明できるレベルまで、自分なりに調べることが重要です。
まとめ
暗号資産は、ブロックチェーンという新たな技術の可能性に触れる機会でもあります。本業の傍ら、新しい知識を学ぶことは、日々の生活に刺激を与えてくれるかもしれません。
教員という忙しい仕事の合間に、無理のない範囲で、余剰資金を使って学びを深めることにもつながります。
そして、将来の自分の人生を豊かにするための選択肢の一つとして、暗号資産と向き合ってみるのもいいですね。