最終更新日時: 2024年6月9日
国債はよく耳にした事のある方が多いと思いますが、県債はご存知でしょうか?
地方の自治体が事業を行う上でお金を募る時や借入をする際に発行するものですが、実はなかなか金利条件がよく、投資信託などと比べて安全性が高いので人気商品です。
国債と比べつつ、どのようなものなのかみていきたいと思います。
そもそも債券とは?株式との違いは?
債券とは、お金を調達する時の1つの手段であり、お金を貸す代わりに借用書を発行し、満期になれば元本+利息を返すというものです。
分かりやすい例は国債です。
国債は、国が事業で必要なお金を国民から借りて、借用書を発行し、私たちは国債を買って満期まで持つことで、国から利息をもらうことができます。
ですので、低い利率ではあるものの、貯金するよりはまだ良いということで、国債を買う方も多くいらっしゃいます。
ちなみに、国債は近くの銀行で買うことができます。
では、株式とどのように異なるのかというと、株式も資金調達の1つですが、そもそも元本保証がされていないという点が大きな違いです。
債券も必ずしも元本が保証されているわけではありません。
例えば、日本という国が突如破綻すれば、国債で預けたお金が返って来ない可能性もあります。
しかし、預けたお金が返ってくるかこないかという点で見たときに、株式は倍になって返ってくる事もあれば、紙切れになって1円も返ってこないという事もあり、とてもハイリスクハイリターンなものと言えます。
国債は、上で見たように利率は低いものの、国が破綻しない限り全額返ってきて、しかも利息までもらえるので、比較的安全性の高いものだと言えます。
日本という国がすぐすぐ破綻するというのは考えにくいですね。
以上より、資産運用に挑戦してみたいけど、株式のようなものは怖いからという理由でなかなか一歩踏み出せない方は、ローリスクローリターンな国債などの債券商品を1つの投資対象としてみるのもいいかもしれません。
国債と県債の具体的中身について
国債を例に挙げて、債券と株式を比較してみてきましたが、債券は実は国債だけでなく、県債や市債といった自治体が発行しているものもあります。
県債は、国債と同じような目的で、県が道路や橋の建設といった公共事業などを行う際に資金が必要となるため、それを県内外問わず、広く調達するために公募として呼びかけを行います。
実際は、年に1回など、同じ時期に募集を始める自治体が多く、国債と同様に銀行や証券会社が窓口になって販売します。
国債に比べて利率が良い!?
国債は知名度が高いので、買われた方もいらっしゃると思いますが、県債などは不定期に発行している自治体もあるため、なかなか知らない方も多いです。
例えば、国債だと3年もしくは5年固定金利を選んだ場合、現在の表面利率0.05%となり100万円預けた場合は、受け取れる利子は税引き後でおよそ400円ぐらいになります。
現在多くの銀行の定期預金利率は0.01%で、ほんのわずかしか変わりませんので、まだ預金よりは良いかもしれませんが、手続きの面倒さなどを考えると二の足を踏むかもしれません。
対して、県債は5年ものと10年ものが多いですが、例えば、私の活動エリアである広島の県債については、5年ものであれば国債とあまり利率など変わりありませんが、10年預けるとなったら少々異なります。
長期で預けてくれるという事は、見方を変えれば、長い期間私たちから自治体が借り入れをしているということになります。
すなわち、私たちもそれだけ預けているリスクもあるため、5年といった短期のものと比較して、利率条件の良いものが多いです。
直近の広島県債を見てみますと、広島県10年公募債(7月債)というものがあり、表面利率を見てみますと、年0.18%となっています。
100万円を預けた場合、税金を考慮せずに考えると、年1800円の利子が付き、10年間なので、トータル1万8000円もの利息を受け取る事ができる計算となります。
もちろん、実際はこれから税金を引いた額なので少し金額は下がりますが、それでも預金などと比べて利率も高く、安全性も高い事から、投資初心者の方にも十分おすすめできるものと言えます。
どのような人が買うべき?
個人向け国債や県債のように、債券は預ける期間が比較的長期に及ぶため、まずは短期的な視点で買わないことがポイントになります。
よって、長い目で投資できる人や、長い期間預ける事ができる余裕資金を持ってる人などは、考えてみる価値がある金融商品であると言えます。
ちなみに、これは、資産運用全般で言えることなんですが、成果を出すためにはある程度時間が必要です。
投資信託や株式投資についても、そこ1、2年で見ても利益が出づらいです。
資産運用する場合は、長い期間投資することを前提に考えて下さいね!
まとめ
国債や県債といった債券は、比較的安全性が高く、預金よりもお金を増やす手段として魅力的です。
ただし、個人向け国債などは1年未満で解約すると中途解約として元本割れします。国債を購入してから1年間は解約してはいけないという条件がついているからです。
もし、その1年の間に解約すると、元本割れして損をする側面もあるため、そういう注意点を考慮しつつ検討して欲しいと思います。
債券は、他にも社債や市債といった形で色んな発行体がありますので、投資については初心者で、かつ余裕資金がある方は、初めに債券を考えてみるのも良いかもしれません。