最終更新日時: 2024年6月9日
民間の保険会社には介護保険というものがあります。
これは、公的介護保険があることを前提に、それでカバー出来ない面を介護保険で補うと言うことが目的になります。
教員において、この介護保険というのは必要なものなんでしょうか?
今回は、この判断基準について詳しく見ていきます。
目次
公的介護保険制度について
公的介護保険制度は、今後ますます加速するであろう高齢化社会に向けて、40歳になってから加入義務がスタートする介護のための保険制度になります。
40歳からの加入になるため、それまでは介護保険料の引き落としはありませんが、その年齢に達すると、教員においては給与天引きにより保険料の引き落としが始まります。
被保険者が40歳となっているのは、その年齢辺りから要介護認定率が上がるという点が主な理由となっています。
詳しい内容については、以前、こちらの記事にまとめていますので、あわせてご覧下さいね↓
民間の介護保険について
では、上記の公的介護保険制度を踏まえ、民間の介護保険は必要なのかどうかについて見ていきます。
まず、結論から先に言いますと、
「教員としては原則不要」
です。
加入の必要性が高い保険とは言えず、毎月公的介護保険料を支払い、さらに民間の介護保険を支払うとなると負担が大きくなります。
また、子育て世帯等は生命保険を中心に、必要性の高い保険が他にもあるため、どうしても介護保険の優先度は下がってしまいます。
ただし、基本的には不要ということであり、事情によっては加入しておいた方が良い方もいらっしゃるので、判断基準について見ていきます。
公的介護保険適用外のものを把握しておく!
まず、民間の介護保険が役に立つ側面というのは、
「公的介護保険適用外の費用」
ですよね。
40歳からは公的介護保険料を支払うわけなので、当然、公的介護保険が使える所は使い、その適用外の所については全額自己負担となることから、そのような点について民間の介護保険で対応をしていきたいというイメージです。
具体的には、
・施設通いにおけるデイサービスの場合の食費
・訪問介護(ホームヘルパー)を頼む場合は、食費や福祉自動車の送迎など。
・施設入所(短期入所含む)における食費、日常生活費、居住費(滞在費)等
になります。
上記について、原則自己負担となっているため、そのような負担を減らしたい場合は、民間の介護保険を利用してカバーするといった方法があります。
ただ、所得等の所定の条件を満たせば自己負担額が軽減される制度もあることから、軽減を受けたい場合は、役所の介護保険窓口で相談すると良いですね。
民間の介護保険が必要的なケース
介護保険はどのようなケースで必要なのか?と言うことですが、基本的には、その他医療保険等と考え方は似たようなものになります。
具体的には、
・もらえる年金額が低いと想定される場合。
・預貯金が介護費用をカバーできる程にない(数十万円単位しかない)。
・老後生活を迎えるにあたって身内が(近場に)ほとんどいない。
などがあげられます。
それぞれ見ていきます。
受給する公的年金が低いケース
教員を定年まで続ける場合は、厚生年金(以前の共済年金含め)を考慮すると、ある程度年金はもらえることになりますが、途中で辞めたり、
あるいは非正規教員の期間が長く、その間国民年金のみしか納めていなかった等、もらえる年金額が低くなることが想定されます。
そのような点については、私的年金づくりは当然のこととして、老後を迎えるにまでにしっかり準備をしておくことが大事になりますが、
どうしても受給予定の年金が低いと想定される場合は、老後の生活を迎える上で、民間の介護保険に加入しておくことも選択肢の一つとしてあがってきます。
預貯金の重要性について
2つ目にあげた、
「預貯金」
ですが、これの重要性は保険と絡めて考えるとよく分かります。
基本的に退職金を含め、老後において預貯金が数千万円単位で見込む事が出来れば、今回テーマにあげた介護保険を含め、保険加入の必要性はほとんどなくなります。
保険は少ない掛け金で多くの保障を確保する目的ですから、預貯金でカバーすることができれば、毎月掛け金を支払う必要はなく、家計支出を抑えることが出来ます。
各種類の保険が必要かどうかというのは、
「ライフプラン全体、特に資産状況を含め大局的に見ていく必要がある」
と言うことですね。
周りに介護する人がいないケース
3つ目のケースは、
「周りに親族がおらず、介護をするとなると外部サービスに頼るしかないケース」
ということです。
出来るだけ親族に迷惑をかけたくないという思いは誰しも同じですが、いつ、介護が必要になるかというのは誰も分からない事です。
身近に親族がいれば、万が一の場合でもサポートしてくれますが、サポートする人がいないとなると、外部のサービスに頼るしか方法がなくなります。
かかる金額も大きくなりやすいことから、このような場合は加入しておくとメリットを受けやすくなります。
なお、教員本人ではなく、家族の誰かが要介護認定になった場合、教員においては共済組合より、
「介護休業手当金」
があるため、休業手当を受給しながらサポートすることが可能になります。
まとめ
今回は、教員に民間の介護保険が必要からどうか?という点で見ていきました。
基本的には、若い世代ほど、生命保険やその他出費が重なることが多く、民間の介護保険についての優先度は低くなるので、加入する必要性は高くないと言えます。
もし、加入を考えている場合は、定年に近く、上記のようなケースに該当する場合は前向きに検討しても良いでしょう!
いずれにしろ、ライフプラン全体で考えていく必要があるので、家計収支もはっきりさせた上で検討してみて下さいね!