最終更新日時: 2024年6月9日
お子さんが生まれたら、まず学資保険を考えますが、
なぜ学資保険は必要なのでしょうか?
学資保険に入る目的を含め、どのように教育資金を貯めていくかをみていきたいと思います。
子育てにかかる総費用とは?
そもそも、子育ての費用は、塾や習い事に関する費用である教育費用と、
その他生活にかける費用である衣服代や食費等を足し合わせた費用が総費用になります。
大学進学を想定した場合、生涯で一人につき約1,500~2,000万円程度と言われており、家計に占める割合も非常に大きなものとなります。
今回はその教育費用を中心に見ていきます。
あくまで平均値であることから、学校は全て私立校だった場合はもちろんこの平均値に加算される費用となり、
逆に全て公立校である場合や、そもそも大学に行かないということであればより低い費用で収まります。
子どもには勉強を頑張って、少しでも家計の負担が軽くなる公立校に行ってほしいというのが親の本音であると思いますが、
昔と比べて、法改正により私立校の授業料の低減も受けられることから、
今の時代は教育を受ける環境が少しは整ったと言えそうです。
しかし、まだまだ行政としても改善の余地はあるでしょう。
ただ、それでも大学進学には多額の費用が発生します。
子どものために、できれば経済的な理由で進学を断念せざるを得ないという状況を作り出したくはない。
だからこそ、子どもが小さいうちに早めに必要資金を計画的に貯めていく必要があるのです。
学資保険を考えるときのポイント
「子どもが生まれたら早めに学資保険入った方がいいよね」
とよく言われますが、なぜでしょうか。
メリット・デメリットを比較しながら考えてみたいと思います。
学資保険のメリット
そもそも学資保険とは、子どもの教育資金を貯めるために掛ける保険ですが、メリットは何かと考えたとき、
①貯蓄性があり、確実に教育資金を貯めることができること。
②契約者(親)に万が一の事があった場合に、払い込みが免除されてその後の資金も保障されること。(特約ですが、大半はセットになっている。)
大きくこの二点に集約されると思います。
つまり、①の性質を考えた場合、貯金が十分あるよという家計においては必ずしも必要的なものにならないと言えますし、
性格的にマメで計画的に貯蓄ができるという人も必要とは言えないでしょう。
よって、計画的な貯蓄に自信のない方や、将来の漠然とした子どもにかかる教育費用に不安がある人は、早めに入っておいた方がよいと考えられます。
学資保険のデメリット
ただし、学資保険にももちろんデメリットはあり、
・解約が安易にできないこと
・元本割れリスクのある商品もあること
等をしっかり理解していないと、逆に損をしてしまう恐れもあります。
そのため、選ぶ際は払い込んだ分に対してどの程度返ってくるのか、
いわゆる
「返戻率」
という言葉にしっかり注意して選ぶことで、損な状況を回避することができます。
ちなみに、学資保険もいろいろなタイプがあり、
子どもが生まれる前、つまり
「妊娠中からでも入ることが可能な商品」
や、
「年金のように長期分を前納したり年払いすることで割引をうける商品」
もあります。
学資保険に回せるお金が少しでもあれば早めに回した方が得と言えますので、是非検討してみて下さい。
どうしても先々の教育資金が不安な方に!
子どもが一人なら、ある程度教育にかけるお金も見越しやすく、計画も立てやすいですが、
二人目、三人目となるとかかる金額は倍に膨らんでいきます。
家族が多いご家庭ならなおのこと先が思いやられますが、
とにかくすべてを貯蓄や保険でカバーしようとしないことが大事です。
周りを見渡すと意外と地域や企業からの支援制度はあるもので、そのような制度を活用していくことも一つの手となります。
例えば、大学進学の際、通常であれば日本学生支援機構という奨学金制度を活用する方も多いですが、
私は当時住んでいる市が提供している奨学金制度を申し込み、機構が提供している制度より低い利率で奨学金を組むことができました。
奨学金負担が子どもに大きいと感じた場合でも、地域の金融機関も教育ローンという名で商品を販売しています。
奨学金等より金利が少し高めですが、それでもカードローンやフリーローンよりはずっと安い金利となっています。
また、教育ローンといえば国が提供している
「教育一般貸付」
という制度もあり、
こちらの方が地域の金融機関より低い金利で貸し出しをしてくれます。
対象は幅広く、入学費用・授業料はもちろん、受験料や住居に関わる費用(家賃等)等にも可能ですので、
この制度は、政府の機関である、日本政策金融公庫という金融機関が窓口となっており、
全国に支店があるので利便性も良いです。ぜひお近くの支店を探してみて下さい。
ちなみに、教育一般貸付制度は、低所得世帯や母子父子家庭等は利息の優遇や返済期間の延長といったものもありますので、
奨学金制度と上手く組み合わせて借り入れる事も選択肢の一つと言えます。
まとめ
子育てにかかる総費用から、教育資金に関わる支援制度まで見ていきましたが、
子どもが小さいうちから早めに資金を貯める事が後々の生活を助ける術となるのは間違いないです。
少し出遅れた方であっても、ローンの組み方一つ覚えるだけで大きく家計負担を減らすことができます。
知るということだけで無駄な支出を減らすきっかけとなるのです。
奨学金は学生に付きものですが、少しでもお金を出してあげたいというのが親心だと思います。
「家計は苦しいけど、収入はまだ何とかあるから返済計画も立てることができる」
ということであれば、このような支援制度を有効活用していくべきでしょう。
将来を少しでも明るく見据えるために、制度を幅広く知ること、早くから資金を貯めること等ぜひ実践してください。