相続発生時に行う遺産分割協議とは?

最終更新日時: 2024年6月9日

相続が発生した時に、遺産分割協議という話し合いを設けることがありますが、聞いたことはありますか?

ほとんどの方は、その協議書自体を見る機会がありません。

相続対策をするにあたって、発生する前に財産の整理を行うことが理想ですが、突然死であったり、そもそも終活自体に後ろ向きな考え方が多いので、なかなか進まないのが現状です。

そこで、仮に遺言書などの対策をしていなくても、相続人同士で話し合いができる遺産分割協議というものがあります。

今回は、この協議について詳しく見ていきたいと思います。

遺産分割協議とは?

遺産分割協議とは、相続人が確定した段階で、亡くなられた本人が所有している様々な財産(預貯金や不動産、株式など)を、相続人が話し合って財産の割合を確定させるための協議を言います。

相続人は親子だけの事もあれば、親より先に子どもが亡くなっていた場合、その子どもの子、つまり孫が、祖父母の死亡した際の相続人にもなりうるので、親兄弟と孫による遺産分割協議というものも十分に考えられます。

実際に集まって協議する事もあれば、なかなか遠隔地で時間も取れない親族もいるので、電話や協議書の内容を文面でやり取りなどして、最終的に遺産分割の内容を確定させていきます。

これをすべて相続人でやるのは大変ですので、相続が発生した時点で、司法書士さんや弁護士さんといった専門家に依頼をかけて遺産分割協議をまとめていくことになります。

ちなみに、専門家に依頼をすれば、その他相続手続きも全て行ってくれますので、親族の死後は心身的ストレスが大きいこともあることから、依頼をした方がよりスムーズに手続きが進みます。

遺産分割協議が必要になる場面?

遺産分割協議は必ずしも行なう必要はありません。

次にあてはまる場合には、遺産分割協議の手続きの必要性がないです。

①相続人が一人

②遺言書がある

大きく、この二つが軸になってきます。

相続人が自分一人だけなら、協議云々の話ではないですね。

複数人いると分け合う必要が出てきますので、遺産分割協議の必要性がでてきます。

また、②の遺言書があれば、できるだけ亡くなった本人の意思を尊重すべく、その遺言書通りに遺産を分け合うことになります。

よって、協議する必要性は高くありません。

ただし、遺言書があったからといって必ずしもその通りに遂行しなければならないわけでもありません。

現実的に、不動産などは、指定された相続人が遠隔地にいると管理が難しいですし、それぞれの家庭環境によっては生活状況が厳しい世帯もあるかもしれません。

そのような場合に、例えばお金に困ってない相続人に預貯金の指定が記載されていれば、生活が苦しい相続人世帯は辛いです。

親族間で解決できる事は、遺産分割協議で解決しても何ら問題はないので、遺言書より優先して遺産分割をしても構わないという事です。

遺産分割協議を行う事のメリットとは?

①指定ができる

遺産分割協議を行うことにより、まず大きなメリットの一つとして、法定相続人に法定割合に基づいて財産を割り当てる必要がないという点が挙げられます。

例えば、預貯金であればお金を分け合う事が可能ですが、家や土地といった不動産は分け合うという事が出来ないので、誰か一人相続人を確定させて行う必要性が出てきます。

それを、遺産分割協議書に明記させる事で、例えば、

○A市の土地についてはXさん

○預貯金については相続割合に基づいてそれぞれ〇〇に分ける。

といったように、個別に指定して相続させる事が出来ます。

また、法律で決められている割合に基づいて相続する必要もないので、複雑な手続きもなくなります。

②証明書として残せる

遺産分割協議をしたという証明を残す事が出来ます。

これは、のちのち親族間でトラブルが起きた際にも役立つもので、当時の協議内容を残しておけば、蒸し返されるリスクもなくなります。

このような点でも、証明書として残せる事はとても大きなことと言えます。

遺産分割協議を行う上での注意点とは?

相続人を確定させる

注意点としては、当てはまる相続人が一人でも署名・押印が漏れていた場合、その協議は有効にならないという事です。

つまり、確実に相続人を確定させた上で遺産分割協議を行わなければならないということです。

財産の記載漏れがない事

預貯金や不動産だけではなく、株式や投資信託といったものもある場合、すべて相続対象となるので、これらも記載漏れがないように注意しなければなりません。

この辺りを洗い出せば、スムーズに手続きが進んでいきます。

専門家に頼むのが一番早い

しかし、相続分野を勉強している人でなければ、容易に相続人を確定させる事が出来ないです。

法律上の順番があり、しかも、親と子でも受け取る割合が異なってきます。

それは、現在の家系状況によりますので、一番確実にかつ早く手続きを進めていくためには、やはり司法書士や弁護士に頼んだ方がいいでしょう。

遺産分割協議をする場合、預貯金などの解約をする際にも、遺産分割協議書が必要になってくるので、このような点からも、費用は多少かかりますが、早めに行いたい場合は依頼するのが最も近道になります。

まとめ

今回は遺産分割協議について見ていきました。

相続人の多くは、兄弟などと複数人になるので、資産が多い家系ほど、話し合いがより重要になってきます。

万が一のためにも、事前に知っておくことで、その後の対処がイメージしやすく、円滑に動く事ができます。

この機会に、万が一のための生前対策をしっかり考えてみてください!

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